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DREAM or TRUE ?【執筆者/藍奈】









「蛮ちゃぁ~ん」


銀次が小走りに駆け寄ってくる。その姿は子犬みたいで、笑えてくる。
俺は笑いを堪え銀次を見る。


「ねぇ、蛮ちゃん。あのね、最近仕事ばっかだったでしょ?」

「あぁ。それが何だよ」

「でね、ヘヴンさんが明日休んでいいって!」

「当たり前だ!」

「怒ることないじゃん」


もともと、ヘウ゛ンが仕事を持ってきすぎて休む暇がなくなったんだ。
当然だろ。まぁ、金は集まったけどよ。


「それでね、蛮ちゃん。俺、行きたいとこあるんだけど」

「あ?行きたいとこ?どこだよ」


どこに行きたいのか聞くと銀次は嬉しそうに笑った。


「あのね、あのね、温泉行きたい!!」

「温泉?」

「うん。この前、かづっちゃんが良いところ、教えてくれたんだ」

「ふぅ~ん」


温泉ねぇ。温泉なんて楽しいことなんてねぇ…いや、あるか。


「おい、銀次」

「なぁ~に?蛮ちゃん」

「その場所は分かってんだろうな?」

「・・・・・?」

「チッ。明日、朝早くに行くから用意しとけよ?」

「うん!」


俺は銀次にそう言うと、場所を調べるために花月のとこに向かった。







「のあ~まだぁ?蛮ちゃん」

「もうすぐ着くぜ?」

「本当?よし、着いたらすぐお風呂入るぞ!」


騒いでいる銀次の横で、俺は昨日の花月の言葉を思い出していた。



『頑張ってくださいね』



俺が何をするのか知ったような口ききやがって。
いや、もしかしたら知ってんのかもしれねぇ。けど俺には関係ねぇな。


「・・・・・で、って蛮ちゃん!」

「あんだよ。ウッセェ」

「だって蛮ちゃん話聞いてなかったじゃん」

「知るかよ。ほら、銀次。前見てみろよ」

「前?・・・ぁ」

「着いたぜ?別荘にな」


着いた場所―そこは街から遠く離れたところ。
花月に教えてもらった温泉はいわゆる秘湯というもので、知る人しか知らないものだった。


「すご―い!ねぇ蛮ちゃん。早く!早く!!」


はしゃぐ銀次を横目に俺は愛車てんとう虫に積んでいた荷物をおろす。


「おい、銀次!テメェの荷物はテメェで持て!!」

「え~~」

「え~じゃねぇ。ほら」


銀次は文句を言いつつも自分の荷物を持ち、先に歩いていく。
全部で5台しか入らない駐車場から宿までは歩いて5分。
5分はあっというまですぐに宿についた。

泊まる手続きを終らせ俺と銀次は部屋に向かった。
もちろん一緒の部屋だ。


「わぁ―広い!見て蛮ちゃん。和室だよ~」


荷物を放り投げ、部屋のなかをウロウロする銀次。
俺は荷物を固めて置くと銀次と一緒に部屋のなかを見てまわる。


「あ、蛮ちゃん」

「あ?何かあったのか?」

「うん。見て、ろてんぶろだよ」

「へぇ~露天つきか」

「・・・」

「何だよ」

「蛮ちゃん今えっちなこと考えてたでしょ」

「考えてねぇよ」

「うっそだぁ~」

「何でウソなんだよ」

「だって、顔がえっちなこと考えてるときの顔だったもん」

「どんな顔だよ」

「こんな顔~」


俺の顔マネをしようとする銀次の頭を軽く叩き、荷物をおいた場所まで戻る。
カバンの中から着替えを出していると、銀次が寄ってきた。


「蛮ちゃん。何してんの?」

「フロ入りにいくんだろ?」

「あ、そうだった!」


俺の言葉で思い出したのか、自分の荷物から着替えをあさる。


「早くしろ」

「ちょっと待ってよ。蛮ちゃん早い!」


先に歩き出すと後ろから小走りでかけてくる銀次。


「お前が遅いだけだろ」

「違うもん。蛮ちゃんが早いんだよ!」

「へいへい」


適当に返事をしながら大浴場へとつづく廊下を進んでいく。
部屋から大浴場までは意外と近く、すぐについた。






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