secret love【執筆者/藍奈】
「ね、リョーマ」
「なに?」
「明日は大晦日だね」
「うん」
「一緒に過ごそうね」
「///う・・・ん」
僕とリョーマにとって二人で過ごす初めての大晦日。
一年の最後の日をリョーマと一緒に過ごせて、一緒に新しい年を迎える事ができる。
すごく・・・嬉しい。
今でも覚えてるよ。
学校の屋上でリョーマから初めてキスしてくれた時のことを。
あの時、君は気付いてなかったかもしれないけど・・・リョーマの顔、真っ赤だったんだよ?
だけど悪戯っ子みたいな顔もしていて、すごく印象的だった。
ねぇ、今度はいつ君から僕にキスしてくれるの?
先輩と付き合いだして2ヶ月くらいたった。
先輩に『リョーマ』って言われるのにも慣れた。
先輩との・・・キスだって・・・慣れた///
けど、未だに慣れなくて出来てないことが1つ。
『しゅうすけ』って呼ぶこと。
明日は大晦日だから、12時ちょうどに言いたいなとは思うけど・・・たぶん出来ないだろうな。
ね、『先輩』のままじゃ嫌だよね?
「ふぅ、ちょっと歩きすぎたね」
「俺、もう歩きたくない」
「う~ん、でも歩かないと着かないよ?」
今11時をすぎたとこ。
あと1時間で年が明ける。
神社まであともう少し。
二人で、ゆっくりだけど歩いていく。
新しい年に向けて
一歩一歩・・・確実に・・
「ねぇ、先輩」
「何?リョーマ」
「あ、あのね・・・来年も・・」
「来年も・・何?」
「その、来年も一緒に・・・///」
言えない。
来年も一緒にいたい、だなんて。
恥ずかしくて言えない。
可愛いリョーマ。
最後まで言えないんだよね、恥ずかしいんだよね?
でも、大丈夫。
リョーマの言いたい事はちゃんと分かるよ。
だって僕だって、同じこと思ってるから・・・
今年は僕が言ってあげる。
だから、ね?
来年はリョーマが言ってね?
恥ずかしくても、最後まで言ってね?
「うん。来年も一緒にいようね?リョーマ」
「////」
「リョーマ?」
「うん///」
カウントダウンが始まる。
―――5
来年もきっといい年になるね。
―――4
リョーマと一緒だから。
―――3
しゅうすけと一緒だから。
―――2
二人で新しい一年を迎えよう。
―――1
二人で新しい一年を過ごそう。
―――0
約束・・・ね。
☆A HAPPY NEW YEAR☆
▼シークレットシリーズ完結
最終更新:2006年03月01日 21:21