悪戯

    

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trick love【執筆者/藍奈】








「越前・・・・・アイシテルよ」



俺は不二先輩に呼ばれて、屋上にいた。
いつも先輩は俺に「愛してる」とか「大好き」とか言ってくる。

でも、いつもは冗談で言ってるような感じだった。

なのに・・・今日のさっきの言葉は、いつもと少し違っているように聞こえた。
俺は少し高鳴る音をごまかすために、いつものように軽く受け流す。


「な//何いってんの、アンタ。バカみたい」


言ってる事と思ってる事がウラハラで。
俺はずっとドキドキしたまま。
なのに、先輩は笑顔で。
また、いつもの冗談なのかな・・と思ってしまう。


(・・・・ま、いいけどね)


先輩は俺に戻ろうかと手を差し伸べてくる。
ナニソレ・・・


お願いだからあんな事言わないでよ。


こんなに優しくしないでよ。



キモチが・・・分かっちゃうじゃん。


俺は差し出された手を無視してドアに向かって歩いていく。
すぐ後ろではクスクスと笑う不二先輩の声がした。




――翌日


「ねぇ、リョーマ君。ちょっといい?」


桃先輩の所に行こうとパンを片手に立ち上がると、クラスメートに呼び止められた。


「何?ここじゃダメなの?」

「う、うん///すぐ・・終わるから」

「・・・わかった」


連れてこられた場所は体育館ウラ。


「で、何なの?こんなとこまで来てさ」

「あ、ごめんね。・・・あのね、リョーマ君。私と付き合ってくれない?」

「・・・ヤダ」


俺の返事に俯いていた彼女は、はじかれたように顔を上げる。
その目には涙が少し滲んでいた。


「そ、そうだよね。うん、ありがとう。ハッキリ言ってくれて」

「ドウイタシマシテ」

「ねぇ、リョーマ君。断ったのってやっぱり、好きな人がいるから?」

「そんなのいな・・」


言いかけて俺の頭にはある1人の顔が浮かび上がる。


スキな・・・・人・・?


「/////」


ちがう。

違う!チガウ!!

あの人は・・・俺は・・あの人の事を好きなんじゃない。



憧れてるだけ



「リョーマ君?顔、赤いけど大丈夫?」

「!!だ、大丈夫。もう、いいでしょ?」

「うん。ごめんね、ありがとう」


俺は彼女より一足先に戻っていった。
顔に手をやると少し熱かった。

ほんとに赤くなってたんだ・・・俺。


「お――い!越前―――!!」


桃先輩が俺の方に向かって走ってくるのが見える。


「お前、こんなとこにいたのかよ。早くメシ食わねぇと昼休み終わっちまうぜ?」

「桃先輩」

「何だよ」

「俺・・・用事ができたから1人で食べて」


俺は桃先輩にそれだけ言うと、ある場所に向かって急いだ。

その場所は―――




「やっぱり、いた」

俺は静かにドアを開けて中に入る。


着いた場所は・・・屋上。


そこには、あの人がいた。
俺はゆっくりと近づいていき、あの人の名前を呼ぶ。


「ねぇ、不二先輩」

「何?越前。僕がここにいるってよく分かったね」


振り向かずに話す先輩。

知ってるよ。
アンタの事なら何でも知ってる。


「どうしたの?さっき、桃が僕のとこに来たんだ。君を知らないかって」

「ねぇ、俺の事スキ?」


一瞬、先輩の肩が揺れた。


言ってよ。
いつもみたいなカルイのじゃなくて・・・


昨日みたいな意味のある重いコトバを。


「うん。好きだよ?愛してる」

「そう・・・ね、こっち向いてよ」


俺の言葉の指示通りにゆっくりと俺の方を向く先輩。
そんな先輩に俺は少しイジワルをしたくなった。


「何?まだ、何かある・・・!!」


触れるだけのキスを貴方にあげる。
でも、コトバはまだあげない。


「なに驚いてんの?嬉しくないの?」

「嬉しいけど・・・」


知ってる?

俺、先輩のこと好きだよ?

憧れじゃなくて・・・1人の人として。




だけど、まだ教えない。

俺だってたまにはいいでしょ?アンタをからかったって。



待ってるから。

でも早く言ってよね?

俺、気が短いのアンタ知ってるでしょ?



だから俺からは言わない。

ゼッタイにね。






ねぇ、周助。

愛してるよ?

だから、



「俺と付き合って?」














▼シークレットシリーズ第二弾
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