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[[前の話へ>18-893]] [[次の話へ>19-56]] あらすじ 無縁塚で拾ったブルマを運動量の多そうな美鈴に勧めた霖之助。 穿いてみた美鈴は気に入るあまりに服をたくし上げ、霖之助に履いてるブルマを見せる。 目が離せない霖之助(赤面)を見て冷静になった美鈴、真っ赤になって硬直。 「あぅぅぅぅぅぅ」 あの後なんとか意識を取り戻し、とりあえず穿いているブルマの代金だけは払って紅魔館の自室に戻った美鈴。 思い出すだけでも顔から火が出そうだ。調子に乗るとろくなことをしない自分が恨めしい。 はしたないと思われただろうか。それとも頭が弱い子だと思われただろうか。 それともその両方か。 考えれば考えるほど恥ずかしくて消えてしまいたくなる。 無論、どんなに祈ったところで消えることなどできず、ひたすら悶える美鈴だった。 「はぁううううううううううううう~~~~」 「美鈴の様子がおかしい?」 数日後、紅魔館の主レミリア=スカーレットは、午後の紅茶を嗜みつつメイド長の十六夜咲夜に聞き返した。 「ええ、どうにも門番の仕事に身が入っていないようで」 「それはいつものことでしょう」 「それはそうなんですが、いつもとサボり方が違うと言いましょうか。  いつもは大概昼寝ばかりしているのですが、最近はボーっと宙を眺めては真っ赤になってうつむいたり、  ぶんぶんと頭を振ったりと。  しかも5分おきにです」 「……なにか変わったことはなかったの? 変なものを拾って食べたとか」 「そうですね……強いて言えば、様子がおかしくなったのはこの前の休日からでしょうか。  メイド妖精が赤い顔をして帰宅する美鈴をみたとか」 「となるとその日に出かけた場所が怪しいわね……。咲夜は聞いてないの?」 「はい、少々お待ちください」 頬に手を当て、考え込む咲夜。 思いついた! という顔をしたのも束の間、やけに神妙な面持ちで告げる。 「確か……香霖堂、だったかと……」 「「……」」 「あの店主となにかあった、そういうこと?」 「信じがたいことですが他に考えられません。その前日は休日がもらえたと喜んでいましたから」 「これは放っておくわけには行かないわね」 「ええ、根掘り葉掘り聞かせてもらいませんと」 2人の視線の先には、帽子を顔に当ててうずくまる美鈴の姿があった。 ちなみに2人からは見えないが、やはりその顔は真っ赤であったという。 その夜、美鈴はレミリアの部屋に呼び出されていた。傍らには咲夜の姿もある。 「美鈴。単刀直入に聞くわ。香霖堂の店主と何があったの?」 「ふぇっ!?」 いきなりそう切り出されてあわてる美鈴。しつこいようだがその顔は真っ赤である。 ――カマをかけたつもりだったが大当たりか―― アイコンタクトで意思の疎通を完了したレミリアと咲夜は、さらに畳み掛けに入る。 「図星ね。どうも様子がおかしいと思ったら。  で、何があったのか聞かせてもらえるわよね?」 言えるわけがない。 「い、言えません!」 「美鈴。あなたの主は誰? このレミリア=スカーレットが教えなさいと言っているのよ?」 「そ、それでもこればっかりは言えないんですっ!」 ――これはただ事ではないようね―― ――ええ、この子がここまで言うなら力づくでは無理でしょう―― ――ならばあの店主ね―― ――賢明です、お嬢様―― 再び交わされるアイコンタクト。 「そう。そこまで言うならもう聞かないわ。下がっていいわよ」 「え……?  あ、はい。わかりました。失礼します」 助かった、という心境を隠しもせず、美鈴は部屋に戻っていった。 「……ああ、もうこんな時間か……」 一方の霖之助も、いつもと様子が違う自分を自覚していた。 何せいくら字を追っても内容が頭に入ってこない。 気がつけばブルマを履いた美鈴の下半身が頭をちらつき、必死に振り払う。 そんな堂々巡りがここ数日続いていた。 そしてまたいつものように眠れぬ夜を迎えようとする霖之助だったが、 バゴーン! 「店主はどこ!?  うちの美鈴に何をやらかしてくれたのかきっちり話してもらうわよ!!」 今日はそれすらもできなさそうだ。 「……というわけで、別に君たちが考えてるようなことは何もしていないよ」 何とか事情を説明し終わり、息を吐く霖之助。 「あの子らしいと言うかなんと言うか……」 こめかみを押さえてため息をつくのは紅魔館の主、レミリア=スカーレット。 確かにそんなことで悩んでましたなどと言えるわけがない。主に情けないとかそういう理由で。 一方霖之助はレミリアがあけた大穴を見て赤字を計算しつつ、美鈴をフォローする。 「まあそういうわけだから、この件の事情に関しては知らぬ存ぜぬを通してあげてくれないか?  いくら穿いてるブルマが気に入ったからとはいえ、  一応は男性の僕に服をたくし上げて下半身を見せるなんてことをしたんだ。  君たちに知られたとわかったら、恥ずかしくてショック死してしまうかもしれない」 「心配しなくても言わないわよ。こっちもこんなことで真面目に説教なんてしたくないわ。  咲夜には私から上手く言っておくから」 「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ。お礼にこの穴はなかったことにしておこう」 内心修理代を請求されるのではないかと思っていたレミリアはその言葉に安堵する。 それにしてもなぜこの店主は美鈴にここまでするのだろうか。 自分が顛末を知ったことなど、美鈴に言おうが言うまいがこの店主には何の関係もない。 それなのに頭を下げて頼んだ上、店に開いた穴のことまでなかったことにするなどと。 「あなた……もしかして美鈴のことが好きなの?」 「は!?」 なぜそうなるのかわからない霖之助は、予想外の発言に取り乱してしまう。 レミリアからすれば、まさに図星を衝かれたようにしか見えないというのに、だ。 口の端を吊り上げてニヤニヤと笑うレミリア。 「ふ~ん。女に興味なんてないような顔してねえ?  まああの子は気立ても顔も良いし、出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでるから無理もないけど。  それともそのブルマとやらが気に入ったのかしら?」 いかん、このままではブルマ好きという噂を立てられかねない。 それの何が悪いのかはわからないが、理性ではなく本能が危険を訴えてくる。 それを感じた霖之助は、何とか目の前の悪乗りしかかっている少女をなだめようとする。 「……彼女が魅力的だということは認めるが、僕の発言はあくまで親切心と責任感から来るものだ。  そもそも、僕があんなものを勧めなければこんな事態にはならなかったわけだしね。  あと、人が特殊な性癖を持っているかのような言動は勘弁してくれ」 「つまらないわね……。まあ良いけど。少なくとも美鈴が魅力的とは認めてるわけだし?」 さらに霖之助を弄ろうとするレミリア。 (く、いらない一言だったか) もっと咄嗟に上手く取り繕う話術を磨こう。 霖之助が随分久しぶりに向上心を確かにした瞬間だった。 「さて、いつまでもこうしてたって仕方ないわね。  事情は良くわかったけど、とにかくアレじゃ門番の仕事に支障が出てしょうがないわ。  今度美鈴をよこすから、なんとか説得してあげてくれないかしら?」 正直こんなことまで頼むのは心苦しいが、自分や咲夜では事情を知らないことになっているので強気に出れない。 無理なら仕方ない、とダメ元で聞いたレミリアだったが、霖之助の返事は意外にも肯定だった。 「僕が何とかできるのならやぶさかじゃないな。わかった、引き受けよう」 「すまないわね。迷惑をかけっぱなしで」 「君たちが説得するわけにもいかないだろうしね……。  僕としても、彼女とは良好な関係を維持していきたいと思っている。  まあ貸し1つと言うことで手を打っておくよ」 「それならその穴を直してもいいようなものだけど?」 「その提案に心惹かれるものがないわけじゃないが、この穴の修理は僕でもできる。  それなら、僕の手に余る事態が起こったときに君たちの手を借りる権利を持っておいたほうが有意義というものさ」 そんなこんなで話はまとまり、レミリアは自分の館に帰って行った。 「そうでしたか……  全くあの子らしいと言うかなんと言うか……」 やはり主従だけあって考えることは一緒のようだ。 「まあそういうわけだから、今度の休みに美鈴を香霖堂へやることにしたわ。  私たちが何を言ってもダメだろうしね。それに、あの店主も美鈴を憎からず思ってるみたいだし」 はて? このお方は美鈴に手を出された(かも知れない)のが気に食わなくて香霖堂に行ったんじゃなかったか? そう思いつつ釘をさしておく咲夜。 「しかし、それであの店主と美鈴が上手くいったら、それこそ門番に身が入らなくなるのでは?」 「んー、まあ良いじゃない。人の恋愛ほど傍から見てて面白いものはないし」 悪戯っぽく笑うレミリアに、ああ、これは何を言っても無駄なパターンかと早々に白旗を振ることにした咲夜。 今後の展開を考えると、内心でため息が漏れるのだった。 [[前の話へ>18-893]] [[次の話へ>19-56]]

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