HOMETOWN BOYS'MARCH

―三日前

男「留・・学?」
女「そう留学!」
男「そっか、ずっと目標だったもんね・・いつ日本を出るの?」
女「一ヶ月後、だからそれまでにいっぱい思い出作ろうね!!」
男「おう!!」




男「・・・っていきなりすぎるな」
ガラッ
女「おっす!」
男「おわ!?だから窓から入ってくるなっていつも言ってるだろ」
女「いいじゃん家も隣なんだしそっちの方が楽だし」
男「で、どうかしたの?」
女「散歩しない?」


男「そんなあんまりくっつくなよ・・・」
女「えー、いーじゃん別に」
男「だってさほら、」

友1「おっす!・・ってなにまたデートかよ」
友2「相変わらず熱いねえ二人ともwww」

女「うらやましいでしょ?」
友1「はいはい」
友2「それじゃ邪魔者は消えるね ばいばーい!」
女「ばいばーい!」

男「こうなるから言ったのに・・・」
女「この町そんなに広くないから、通りを歩けば誰かに出会うんだよね」


女「コンビニ寄ってこーよ」
男「おk」

女「いつも行くコンビニも、きれいな花の咲いてる交差点も、落書きだらけのバス停も
  当たり前だと思ってたけどそろそろお別れなんだよね・・・」
男「おいおい、半年で帰ってくるんだろ?」
女「そうだけど・・・やっぱりさびしいな・・・」
男「・・・」

女「この間はああ言ったけどさ、やっぱ特別に思い出作るのもいいけど、こういう
  別にどうってことのない毎日を大事にしたいな」
男「そうだね」


翌日@男んち
ガラ
女「おっす」
男「どした?」
女「あのさ、あれ何だっけ?」
男「あれって?」
女「だからあれなの」

  ………

男「あ、もう夕方か・・・」
女「なんかあっという間だったね」
男「で、あれは結局何だったの?」
女「さあ?」
男「さあ?って・・でもさ、こういう時間も悪くないよね」
女「だね」


女「私心配なの」
男「留学のこと?」
女「うん。私、留学できるって聞いた時はすごく嬉しかったけど、
  今の私のまま、留学していいのかな・・・って」
男「自信がないの?」
女「そうじゃないの。まだ日本でやらなきゃいけないことがたくさんあるはずなのに、
  それをほったらかして留学するなんて、それでいいのかな
  留学って言いながら私、ただ逃げるみたいで・・・」
男「そんなことない。確かに、ここにいてはできないこともあれば、
  ここにいるからこそできることもあるよ。
  でも、オマエは逃げ出すんじゃないんだ。
  うしろめたいことなんて 何ひとつないからね。」
女「そう・・だよね。うん!私、向こうでも頑張るね!!」

男「ずっと応援してるよ」
女「ありがとう!!」


@空港
女「見送りありがとね」
男「行けるところまで突き進んでみなよ」
女「うん!できる限り連絡するからね」
男「そんな心配しなくても大丈夫だよ」

男「・・・」
女「・・・」

男「なんかいつもはもっと話せるのに言葉が出ない」
女「私も。でも、何年たってもどこにいても男とかわした言葉は消えないよ」
男「俺もだよ。がんばってね」
女「うん」

女「じゃあ、行くね」
男「あ!」
女「ん?」


男「行ってらっしゃい!」

女「うん!行ってきます!!!」


HOMETOWN BOYS' MARCH ~fin~



最終更新:2008年06月04日 03:22
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