何が問題なの?

長谷川氏の行為は何が問題なのか?

 

Q.アナログ作品なのにどうやってトレースするの? 言い掛かりじゃない?

A.長谷川氏は下書きまでをフォトショップで行っていることが氏の投稿画像から判明しています。

詳しくは無断トレース疑惑の検証内の画像をご覧ください。

 

Q.重ね合わせたらたまたま線が重なることだってあるんじゃない?

A.輪郭のみならず、目と目の間の間隔、口や鼻の位置、前髪のラインまでもが「偶然にも一致」する確率はきわめて低いです。

詳しくは下記のまとめなどをご参照ください。

「なぜ『線画が一致するとトレス疑惑を持たれるか』をかいつまんで説明」-togetterまとめ

http://togetter.com/li/330991

「『他人が書いた線と重なることは珍しい』を検証してみた」-togetterまとめ

http://togetter.com/li/331656

 

Q.写真のトレースがいけないことなの?

A.写真をトレースする行為そのものが問題なのではなく、長谷川氏に著作権のない写真をトレースし、「オリジナル作品として」「有償で販売」していることが問題です。
Blue Fairy社が「商用利用の禁止」「無断使用の禁止」を宣言しているため、長谷川氏の行為はBlue Fairy社の著作権を侵害しているということになります。

参考:トレパクってなに?トレースの問題点【同人・二次創作】-NEVERまとめ

http://matome.naver.jp/odai/2137318874481097901

 

Q.トレースをしていても手を加えてアナログイラストにしているのだからいいのでは?

A.長谷川氏のように、大元の写真をトレースして独自の要素を付け加えイラストにする行為は「二次的著作物」にあたると考えられます。

クラシックの曲をジャズ化したり、小説を脚本にしたり、脚本を映画化したものなど、ある著作物を原作として新たな創作性を加えたものは、原作とは別に著作物として保護されます。著作物である写真にモンタージュしたり、コンピュータグラフィックスのように合成したものも同様です。これを二次的著作物といいますが、既存の著作物に用語の変更など、多少の修正を加えただけでは、二次的著作物とは認められません。
なお、このような二次的著作物を創作する場合には、原作者の許可が必要ですし、二次的著作物を利用する(使う)場合には、二次的著作物の作者の許可と原作者の許可とが必要です。

原作者の許可がない二次的著作物は、著作権のうち「複製権」や「翻案権」の侵害になります。

Q:写真をそっくりそのまま絵に描いて公表すると違法になりますか?

A:写真家に無断で写真そっくりに絵を描いて公表すれば、著作権(複製権)の侵害になります。

(第2条1-15・第21条・第30条)
ただし、私的複製の範囲で、描いた絵を自分の部屋に飾ったり、家庭内で楽しむことは違法ではありません。

公益社団法人日本写真家協会 ホームページより

http://www.jps.gr.jp/rights-2/ 

「翻案権」とは
翻案権は「二次的著作物を創出する権利」のことで、翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案する権利のことです。翻案権はもとの著作物を創出した著作権者に帰属する権利なので、著作権者の承諾なく二次的著作物を創出することはできません。

アマナイメージズ 写真を安全に使う10の方法 より

https://amanaimages.com/topics/rights-service/9/

 

この「複製権」や「二次的著作物」の考え方についてはこちらにとてもわかりやすくまとめられています。

 

特許業務法人 中川国際特許事務所

なるほど著作権セミナー Season.3 「Vol.2:複製と翻案」

http://www.nakagawa.gr.jp/lecture/naruhodo1008.pdf

 

長谷川氏の作品はBlue Fairy社の公式写真に対して「類似性」と「依拠性」のどちらもが高いと思われます。

 

Q.もし無断トレースが本当でもファンアートなのでは? 目くじらを立てなくてもいいんじゃない?

A.はじめにのページを見ていただければわかる通り長谷川氏は写真の無断トレースをベースにしたと思われるイラストをグッズ化し、国内外で広く有償販売しています。アートコンプレックスセンター(ACT)の通販ページでは原画一枚につき数万円単位の値が付けられていました。これはれっきとした「商業活動」です。

 

Q.著作権は親告罪なのだから第三者が口を出すべきではないのでは?

A.第三者が著作権違反を訴えることはできませんが、現在も長谷川氏は無断トレースを行ったのか、行っていないのかの正式な説明もなくグッズ類の販売を続けています。氏の作品を「オリジナル」と思い購入してしまう人もいるかもしれません。
このまとめを見た上で、作品が素敵だから購入する。長谷川氏の潔白を信じるというのは個人の自由ですが、このような疑惑があると知らずに購入してしまい、後悔する人が出ないよう周知することもまた必要だと思います。

デジタル作画環境の発達やSNSの浸透などにより、誰もが著作権違反をする側にも、される側にもなり得る状況になっています。「無断トレース」の何がいけないのかを一緒に考えていただければ幸いです。

最終更新:2015年06月15日 02:59
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