264 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/02/14(土) 07:04:49 ID:WBHqGerZ
文武両道で品行方正、一見モテモテくんのユージですが
クラスにはそれ以上のモテモテくんがいつもいて、チョコは彼に集中していました。
クラスの男子が羨望と嫉妬の眼差しを向ける中、しかしユージくんの表情は穏やかでした。
なぜなら・・・

「ユージくん、これ・・・」
「今年もありがとね、タマちゃん」
いつもの帰り道。いつもの分かれ道。
小さな女の子の、小さな掌から手渡される、小さなチョコレート。
彼女の柔らかな頬がほんのり紅く見えるのは、きっと夕焼けのせい。
ユージくんは思うのでした。
(毎年決まって同じ女の子からチョコを貰えるなんて、幸せなことだよね)
幸せな気持ちと共に、チョコレートを噛み締めるのでした。
でもやっぱり、チョコに込められた淡い想いに、今年も気がつかないユージくんなのでした。
最終更新:2009年02月14日 19:10