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「ただいまー」
がちゃり、とドアを開けて帰って来た長女に24日の洗礼が降り注ぐ。
ぱん、と家中に鳴り響くクラッカーの音。

『メリークリスマース!おっかえり~』
「…また?」
紙テープを払い除けながら、よくも毎年飽きもせずに続けられるものだ、と長女は思う。
これで何年目になるだろうか、いや何回目だろう。この夫婦のノリにあてられるのは。
後ろの方では弟がゲラゲラ笑っていて、さらにその横では妹がおずおずしながら笑顔をふりまいている。
「あのね、おとーさんおかーさん」
『ん、なになに?』
「…恥ずかしいから」
やめてよ、とまでは言えないが。さすがに。
しかしそう言われると年甲斐もなく、途端に頬を赤らめる父と母。
「いっ、いやー…改めて娘に言われるとなんか恥ずかしいな」
「そ、そうですねえ…」

「あと!」
長女が語気を強める。
「おとーさん、その全タイいつまで着る気?それに去年から左のツノ折れてる」「うおっ、マジで?」
「おかーさん、その歳でもう流石にミニスカはちょっと…」「うえっ、そ、そそそんな事…ない、よね?」
娘の厳しいツッコミに、母親が父親の方をチラッと見上げると。
「いやいや。お前は十分かわいいぞ、キリノ」
「本当?あなた」
「ああ、とてもかわいいぞ。チーズケーキくれるしな」
「やったあ」

その光景に、またか、と溜息をひとつ。
ああもう、これだからこの夫婦は。

……………………け!!

思春期特有の、長女の悩みは続いていくのであった。