767 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 10:05:27 ID:DIsdZp3i
たまには自分が先生の頭をナデナデしたいきりのんのん


774 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 15:25:45 ID:X41oAutt
>>767 から駄文を。



”背のびしたって、とどかないけど。”



「よしよし。かわいいぞ。」

あたしの髪を、優しく撫でる大きな手。

ほつれないように、ぐしゃぐしゃにならない様に。

先生はいつもそうして丁寧に、そっと、あたしの髪に触れる。

大事なこわれものにでも、さわるときみたいに。


でも、そうじゃない事が一度だけあった。いつかのインターハイ予選の日。

いつもより乱暴におかれた手に、いつも以上の温もりがあったのを覚えてる。

あの日から、あたしは――――


今でもあたしを撫で続けている先生の頭に、そっと手を伸ばしてみる。

背のびしたって、とどかないのに。

じゃあ、代わりに。鼻かほっぺか、それともお耳?………きーめたっ。

かかとを伸ばして、引っ張ってみる。今はこれが精一杯。

むにゅ。


「ふぁにふぉする、ひりにょ…」

「うふふぅ、なんでもないです。」


ぴよんと伸ばして、ぱちんと弾く。

かわいい先生を見られたら、今日はこれが、精一杯。


△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



放課後。ホームルームが早くに終わると、駆け足で道場へ。

入り口には、朝から目の下に大きなくまを飼って、大あくびを浮かべる先生。


「おう、キリノ一人か。丁度いいや。」

「どうしたんすか?コジロー先生。」

「実は…昨日寝てなくってさ…皆が来るまでひと眠りするから、起こしてくれ。」

「もー、だらしない先生っすねえ。」

「悪い…もうダメ、落ちる…」

「もー…」


嘘、ウソ。だらしないことなんかないよ――――

皆言ってる。先生の授業、前よりずっと面白くなったって評判だよ。

でもあたしは先生が、努力して、自分を変えていける人だって、知ってたから。

そんなとこも含めて――――前から、ずうっと。なんだから。


寝ちゃった先生の頭を、よっこいしょ。

正座する膝の上に乗せてみる。

そしてその、かわいい寝顔を見つめながら――――


”背のびしたって、とどかない、から。”


ずっとちっちゃい手だけど、心を込めて。

いいこ、いいこ。

へへ。










 
最終更新:2008年10月30日 00:25