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 昼休みの教室。キリノは、クラスメイトの友人2人&サヤとお弁当をつまみつつ、
たわいもない会話をしていた。女子高生の話というのは、とりとめがないようだ。
最初はテストの話、そして恋の話……話のオチをつけぬまま話題は移り変わり、
議題はいつのまにか最近のコジローの話へとうつっていた。
「でも、キリノよかったね。コジロー先生だったらライバル少ないと思うよー。
唯一ライバルになりそうな吉河先生は、石橋先生の奥さんになっちゃったしね」
「え、やだなー。そういうんじゃないよー。でも、ライバルってわけじゃないけど
コジロー先生かっこいいから、結構もてそうだよね……」

 え、えええ。あんた、普段どんな目でコジロー先生見てんのよ……。
そりゃ、鎌崎の練習試合のときとか学校辞めちゃったときとか
たまーーーーにかっこいいこともするけどさぁ……。美化しすぎじゃない?

 キリノが抱くコジローへの評価が過大評価すぎるような気がする、と
サヤは心のなかで突っ込みを入れた。

「あー、でもコジロー先生。ウチの後輩からパンとかもらってるらしーよ」
「あー、1年のあの子! 積極的だよねー」
 ショートカットの少女と、ロングヘアーの少女。キリノの親友2人が彼女をからかう。
「あー、それなら大丈夫だよ。コジロー先生は松本アナみたいなタイプが好みだから」
「……なんで知ってんの?」
「この間、バニ学の話題になったときに剣道部で男子の好みを聞いたんだよ~」
「コジロー先生の好みしか書いてないけど?」

 キリノの机に入っていたマル秘キリノートを取り出して、サヤが読み上げた。
「コジロー先生の借金相手:ノブちゃん。コジロー先生の芸能人の好み:松本アナ。
コジロー先生の好きな揚げ物:コロッケ、メンチカツ、エビフライ。
最近、コジロー先生が聞いてるJPOP:for your shine 歌・沢宮エリナ……」
「サ、サヤ! いつの間にアタシのキリノート!」
「うわあ……コジロー先生のことばっかり書いてあるね」
「ストーカーか、アンタは」
「み、みんなちょっと酷いよー」
「まあ、この子の部屋ってシュミわるいしねー」
「ゲテモノ大好きだよねえ」
「言いたい放題だね……」

 キリノを3人がからかっていると、見慣れない1年の女子が教室に入ってきた。
「あれ? ここにもいない」
「んあ、あの子誰だろ」
「あ! 彼女だよ。例のパンあげてる後輩」
「あの、すいませーん」

 例の、と言われた少女がキリノのほうに近づいてきた。
「剣道部の人ですよね。コジロー先生見ませんでした?」
「ん、来てないよ?」
「そうですか……」
「どうしたのさ、いったい」
「あ、先輩。最近、コジロー先生お昼になるとすぐいなくなっちゃって
パンもらってくれないんです。せっかく、高いパン買ってきたのに」
「あまりもんじゃなかったの?」
「最初はそうだったんですけど……」
 少女は顔を赤らめて続ける。「えへへ、じゃあコジロー先生見かけたら教えてくださーい」
「ああ、わかったよ」
 教室から少女が出て行った後、親友たちの視線がキリノに集中する。
クラスメイトもニヤニヤしながら、横目で見ているのだが当の本人は気づかない。
「ライバル……結構いそうじゃなーい」
「むむ~」
「が・ん・ば・れ!」
 ポンポンと3人がキリノの肩を叩いてはげます。
クラスメイトたちは口元を押さえて、笑いをこらえていた。