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"あなたを、見つめていたい――――"

いま、あたしの傍でクタクタになって倒れ込むこの人は、いつの頃からか本当にがんばり屋さん。
でも、まだほんのちょっとだけ、あたしを頼みにしちゃう弱い人。そしてそれは―――きっと、あたしだけしか知らない事。
その弱さも、意外と優しい所も、可愛い所も。全部ひっくるめて……大好きなあたしの宝物。
そんな気持ちは、迷惑ですか―――?

『男の戦いが待っているんだ!』

そう言ってた時は、まだ分かってあげられなかったけども。
でも確かにあたしはこんな光景を、心の何処かでずっと夢見てたんだと思う―――
周囲に認められていく先生を。あたしがずっと昔から知ってる先生の良さを、皆に知って貰える事を。
そして、それでも……遠くに行っちゃわずに、あたしの方を見ててくれる事を。

だから…そう。
今は気持ちを込めて、こう言ってあげたい。

「センセー、おつかれさま…」

気が付けば、全力の笑顔で微笑むあたし。
そんなあたしの言葉に反応して、身体を起こそうとする先生。
無理はしなくていいよ、と言うあたしの言葉も聞かずに起き上がると――――

「キリノ。さっきは、ごめんな……もう、大丈夫だから」

そう言って、上がらない腕で、でも優しくあたしの頭をぽんと撫でる大きな掌。

「大丈夫」――――うん、きっと「大丈夫」。
あたしを頼っちゃう弱さに、罪悪感を感じてる先生。
でもそれこそが、あたしにとっての………特別のアカシ。

きっとこの先、何年経っても――――
弱くなくたって、きれいになっちゃっても――――

ずっとずっと、10年先だって。
その時も、そう、出来ればこんな笑顔のままで。


10 YEARS AFTER
10年後の あなたを見つめてみたい
STAY TOGETHER
その時 きっと そばで 微笑んでいたい
最終更新:2008年06月29日 20:00