(4巻P61からの展開です。)


コジロー「―――俺が探してくる!うおおおおおっ!」(ダダダダ)
サヤ「あ~あ、行っちゃった。キリノの友達に迷惑かけなきゃいいけど…」


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コジロー「あーいたいた!おい、キリ…」

旧友A「でさーキリノ!その後どうなったの?」
旧友B「そうそう!卒業式の時主将に告られてたよね?」
キリノ「……えっ。ちょっ、何で知ってるの?」

コジロー「!!」
コジロー「(―――なっ、何を隠れてんだ俺は?)」

旧友B「そりゃあまあ…ねえ。道場の裏でなんてベタだし…」
旧友A「何か無骨って言うか、変な人だったけど……いい人だったよね、しゅしょー。男前だったし」
キリノ「うん、いい人……だよね。うん」
旧友B「おお、その反応~」
旧友A「うわー、キリノに先越されちゃったかぁ」
キリノ「う~ん、えっと…」

コジロー「(………)」
コジロー「(…いっ、いや俺は別にその…)」
コジロー「(……生徒のプライバシー侵害だな、戻るか…)」

キリノ「(………ん?)」
キリノ「あ…!ごめん、二人とも。なんか呼んでるみたいだからもう行くね?」
旧友B「え?呼んでるって……あらら、もう行っちゃった」
旧友A「…相変わらず変なとこあるよねキリノって。どうなったのか、聞きたかったなぁ~」

キリノ「―――せんせー?」
コジロー「い゙っ!?き、キリノお前…友達はもういいのかよ?」
キリノ「やっぱり、来てたんじゃないっすかー、もう、声掛けてくれればいいのに」
コジロー「い、いや……(ヤベー、顔が見られん…)」
キリノ「……ひょっとして、聞いたりしてました?さっきの事」
コジロー「さ、さっきの事って?……俺には、関係ないと思うんだが…」
キリノ「……ぷっ」
コジロー「な、何がおかしい?」
キリノ「か、関係ないって、せんせー……あはははは!そりゃ自白してるようなもんじゃないっすか…」
コジロー「……い、いやでも実際そうだろ!お前が誰と付き合おうと、別に…」
キリノ「付き合ってないっすよ~、あたしは、まだ。誰とも」
コジロー「え…」
キリノ「残念ながら、あたし当時から好きな人が居てですね。ごめんなさい、って」
コジロー「……そっか。(付き合っていなくとも…好きな奴は、いるのか……まあ、そりゃそうだわな)」
キリノ「……妬いてくれてたりしました?」
コジロー「!!……な、何で俺がお前に妬かなきゃならん?」
キリノ「コロッケ独り占めできないなーとか」
コジロー「んなバカな事を…もう、いいだろ。戻ろう」
キリノ「おりょ、もうこんな時間っすか」
コジロー「……お前のコロッケが無いと俺の昼メシが始まらんからな」
キリノ「ふふ、はいはい…」

キリノ「(―――昔見た剣道の試合、たしか”昇龍旗”だったかな?)」
キリノ「(その時から、あたしの憧れてるのは……たった一人だけなんですよ、センセー)」

コジロー「…何ニヤけてるんだ?」
キリノ「えへへ、なーんでも」



おわり
最終更新:2008年05月31日 07:29