542 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/05/27(火) 05:46:39 ID:9ZzlEp7u
 要は、こういうことだった。
 納得してしまいさえすれば、どうということもない。
 剣道部の部長と名乗る女子生徒がやってきて、この道場に彼女を無理やり連れてきた。部員を確保しなければならないらしい。
 部長――キリノは道場に入るなり、イイ笑顔で顧問に飛びつき、頭を撫でられていた。別の男子生徒は、小学生くらいかと見まごうほど背の低い女子となにやら仲睦まじげにほのぼのと笑い合っている。
 どうということはない。そう。疑問にさえ思わなければ。
 優男風の男子生徒と小さな女子生徒がやたらと仲が良さそうなのは、二人が幼馴染みだからである。むしろこのことに関しては、道理に適っている。素晴らしい。
 納得してしまいさえすれば、疑問にさえ思わなければ、どうということもない。
 というわけで、サトリは納得してしまうことにした。大事なものをなにか失くしてしまったような気もするが、とにかくすべて、これで解決するのだから。ありがとう人生。ありがとう青春。

「――完――」

 心の中に燦然と輝くその一字を噛みしめて、彼女はうなずいた。そそくさと手を挙げる。

「――というわけで、私は帰らせてもらいますから」


かっとなってやった、反省している
ていうか元ネタわかるヤツいるのかこれ…?
最終更新:2008年05月27日 23:04