135 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/28(月) 17:22:09 ID:4E1gkS3M
孫娘の日記


○月○日
最近、おばあちゃんがあんまり元気がない。
おじいちゃんが亡くなってからずっとふさぎこんでる。
まるで、若い人みたいに仲がよかったし、おばあちゃん相当ショックなんだと思う。
なんとかしてあげたいけど……


○月×日
今日はおばあちゃんの告別式だった。
じつは、おばあちゃんが亡くなった日に私は不思議な体験をした。
縁側でお茶をすすっているおばあちゃんのところに
昔あった特撮の……なんだっけブレなんとかの仮面をつけた人が来て、
おばあちゃんと何か話していた。

そのあと、おばあちゃんが……その人に抱きついたんだけど
その瞬間、すごく若い女の子の姿が見えたような……。
一瞬、私がもう1人いると思ったくらいで、
あわてて目をこすってから、もう一度見直したんだけど、
そこには、誰もいなくて……

縁側を見ると、おばあちゃんは眠るように亡くなっていた。

あれは、誰だったんだろう。
そういえば、そうそう! そうだった
おばあちゃんの横に見たことのない古ぼけたマスコットがあったっけ。
黄色い女の子の戦士と、長官のマスコット。
おばあちゃんの棺に入れようと思ったけど、
持っていなさいという声が聞こえたような気がして机の引き出しにしまってある。


○月××日
押入れから古いノートが出てきた。
マル秘キリノートと書かれたそのノートには……
おばあちゃんは今頃、おじいちゃんと天国で剣道をしているのだろうか。
仲良くお茶をすすっていそうな気もするけど。
あのマスコットを参考にして、きれいに新しいマスコットを作ってみた。
今度2人のお墓に持っていってあげようと思う。

ところで、おばあちゃん。
最近、あたしも好きな人ができたんだ。
剣道部の顧問の先生で駄目駄目な人なんだけどね~。
「キリ」までは、おばあちゃんとあたしの名前はおんなじだし、
このマル秘キリノートもらってもいいかな。

アタシとあの先生のことを続きとしてかいていこっかな、なんて思ってるんだ。




すまん、書いてて悲しくなった。
ただ、死ぬときまで仲がいいんだろうと思っただけだ。

142 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/28(月) 18:03:48 ID:WPp5dxbc
>>135
○月×日のやり取りを俺の読唇術で読んでみた

老キリノ「ふふ…遅かったですねえ、あなた」
老コジロー「すまないね、人には決められた寿命って言うものがあって…」
老キリノ「ええ、ええ、分かっています…でも、いつも貴方は私を待たせてばっかりで…」
老コジロー「……すまん」
老キリノ「最後くらい、愚痴のひとつも言わせて下さいな……これからは、離れないで下さいね?」
老コジロー「あぁ、二度とな………迎えに来たよ。おいで」(仮面とる)
老キリノ「うれしい…」(はぐ)

コジロー「ずっと一緒だ。キリノ…」
キリノ「どこまでも、お供するっすよ、コジロー先生…」



娘「お婆ちゃん…よかったね…」
最終更新:2008年04月29日 02:22