365 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/03/28(金) 17:41:07 ID:BLlacZWD
「知ってる?桜の木下には死体が埋まってるんだよ。だから桜の花は血みたいにきれいなんだよ」
「ほ、本当ですか?サヤ先輩(gkbr)」
「ほらほらサヤ、タマちゃん脅かして楽しまない」
「失礼な。文学的に桜の美しさを解説してただけだよ」
「きゃあああ、こ、ここの桜の下に本当に死体が!」
「サトリ早く警察に電話!これすでにほとんど白骨化してますよ……
あ、キ、キリノ先輩?」
キリノは呆然としながら骸に近づく。それが誰だかキリノには一目でわかった。
人かどうかすら判別できない者が大事に胸に抱え込む人形は、
かつてキリノが作りプレゼントした物だったから。
「おかえりなさい…………先生…………」

376 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/03/28(金) 19:10:03 ID:DFENRrAW
>>365

「ちょっ、キリノ、何してるの?」
「なにって…だって先生おなかすかせてるんだよ。こんなに痩せちゃって…」
辛うじて人の顔だと分かる部分にエビフライを持って行くキリノ。
周囲はその異常な行動に固唾を飲み、いや何かを察したように押し黙る。
「(キリノ先輩、そこまで……)」
堪りかねたサヤがキリノ、もういいよ、と肩に手をかけようとした時。

「もごッ」

その亡骸――おそらくは、嘗て彼女等の部の顧問であった男の口、と思しき部分が動いた。
その動きは、キリノの差し出すエビフライを尻尾まで食べ尽くすと、やがて一言、げぷ、とだけこぼした。
それと同時に…何千年もの時を経た岩肌のようだった身体が、みるみるうちに人間のみずみずしさを取り戻して行く。
真っ青になるサヤ達他の部員を尻目に、平然としてポットから急須にお茶をそそぐキリノ。
今でははっきりとコジローだと分かる男は、即座にこう呟いた。

「キリノ、このエビフライ、塩味ききすぎだ。お茶」
「はいはい、そう言うと思って淹れときましたよー」
最終更新:2008年04月20日 13:45