330 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 22:47:21 ID:m3GTvdAK
あの日以降の、たっくんの日記を勝手に覗いてみた
―――――――――――――――――――――――――――――――
○月△日
ねーちゃんの様子がどうもおかしい。
折角ナントカ旗っていう大会でタマちゃんが優勝して
みんなでお祝いしたって言うのに、なんか、違う。
記念で撮った写真も一人だけ遠くを見てるみたいだ。
気になるから今日からちょっと、日記をねーちゃんの観察日記にしてみる。もちろん内緒でだけど。
○月□日
ねーちゃんが珍しく、スーパーでネギを買い忘れて帰って来た。
しかも卵を一番下にして自転車に乗せてたからぐちゃぐちゃだよ、ってかーさんに怒られてた。
ごめんね、って謝る声に全然いつもの元気がない。
どうしちゃったんだろう…
○月×日
どうも学校で、部活の顧問の人が変わっちゃったらしい…?
うーん、そのせいなのかな。
コジロー先生、だっけ。前の先生。
いつだったか嬉しそうに、先生がやる気出してくれた、って言ってたっけ。
ねーちゃん、その人の事好きだったのかな?
△月○日
そういえば夏の頃にもちょっとの間だけだけど、
こんな風にねーちゃんがおかしくなった事があった。
あの時はなんでだったんだろう。今回の事とも関係があるのかな。
△月□日
今日はサヤちゃんがうちに遊びに来てくれた。
でも…サヤちゃんが居る間じゅう、隣の部屋からは、二人の口論の声しかしなかった。
帰るときには、いつも通りのサヤちゃんといつもよりちょっと元気のないねーちゃん、だったけども。
晩ご飯の時、何だか今までよりもっとねーちゃんの表情が暗い。大丈夫かな…
△月×日
ねーちゃんの溜息。居間に居た時だけで、30回は聞いた。
一番最初に「おかしい」と感じた時から少し経って、
ねーちゃんはそれなりに元に戻っているような気はする。
でも、やっぱり微妙に違う…気がする。
×月○日
気付けばねーちゃんの部屋に、同じ形をした人形が増えていく。
いつもなら勝手に部屋に入ってるのを見つかると怒られるのに、もー、とだけ言ってそれもしない。
あれがきっと、コジロー先生。少し会ってみたい気がする。
×月□日
学校から帰って来たねーちゃんは相変わらず浮かない顔をしている。
いつも笑顔のねーちゃんだから、普通の顔がそう見えるのかな?…違う気がする。
今日、勇気を出して、ついに聞いてみた。会いに行かないの?って。
ねーちゃんは笑っていたけど、弟にまで言われるようになった事には結構がっくりきているみたいだった。
×月△日
がちゃん、っていう音がしてねーちゃんの部屋の蛍光灯が割れた。
まさかあのねーちゃんが、そんなにまで?…と思ったら、流石にそれはなかった。
でも、なんだか、隣の部屋で変な声がする。……泣いてるのかな、ねーちゃん。
×月△+1日
やっと会えたんだね……
よかったな、ねーちゃん。おめでとう。
これにてねーちゃんの観察日記を締め括る。まる。
―――――――――――――――――――――――――――――――
キリノ「…ちょっとたっくん、何これ!?」
たっくん「あー、ええっと……ってか、勝手に見んなよ!ねえちゃん!」(怒られる…)
わなわなと震える手を開くと、掌でたっくんの頭をぽんぽんと撫でる。
キリノ「ごめんね…あたし、ダメなお姉ちゃんだったね、てへへ」
たっくん「ねえちゃん……おめでとう!……で、おれ、いつから先生の事”にいさん”って呼べばいいかな?」
キリノ「ひぇ?」
たっくん「日取りは?友達どれくらい呼ぶの?場所はどこにする?」
ママン「ちょっと何の話をしているの?」
キリノ「あ、おかあさん……怒ってやってよ!たっくんたらね…」
ママン「そういう話は私も混ぜなさい!大安の日を予約しなくっちゃ…お店の休める日で…それから……」
いもーと「あたしもドレスの裾持ってあげるー」
キリノ「あああああ……」
空回りに回りまくった千葉家の明かりがようやく消えたのが、夜も白み始めた頃。
完徹のキリノ母がまたも体調を崩し、子供3人はそれぞれの理由で午前の授業をほとんど寝て過ごしたのは言うまでもない。
最終更新:2008年04月28日 19:31