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”1年・春”
 持ち前のエネルギー空回りで、
 最初に入った文芸部を入部早々におん出されたサヤ。

「あー、あうぅ、もっとこの、アタシの才能を活かせる部活は無いのかなあ…」

 一方の、キリノはってゆーと。

「新入部員の千葉紀梨乃です!剣道は中学からやってます!よろしくお願いします!
 …ってあれえ?剣道部ってみんなでこれだけしかいないんですか?」
「おー進学組は3年で卒業なんだよ。こう見えて進学校だからなウチは。」
「ダメですよ先生がそんなんじゃ!あたし、勧誘いってきますっ!」
「お、おい!(…元気なやつ…)」


とりあえず手当たり次第に声をかけてみるキリノ。

「そこのカッコいいお兄さんとふつうのお兄さん!剣道部入らないっ?剣道は臭くてきつくて痛いけど面白いよぉ~」
「誰がふつうのお兄さんだよ、誰が!外山、行こうぜ。」
「まぁ待てよ岩佐… 剣道部か、面白ぇ、入るぜ?案内してくれよ、先輩。」
「あー先輩じゃないよアハハ、私、1年の千葉紀梨乃!キリノでいいよ!よろしくね~ んじゃ行こ行こっ!」

去ろうとしたその時、目を輝かせた赤髪の少女がキリノの背後から一言。

「入るっ!」
「え…? えっと、あなたも剣道部入ってくれるの?」
「うん!今、ピーンと来たの。ほとばしる汗、燃える熱血!ドラマだわ!
 私の青春は、剣道に懸ける為にあったのよ!今、そう決めたぁ!入るっ!何が何でもはーいーるぅ!」
「…え、えっとぉ…」
「ウゼ… 早く行かね?えっと…千葉さん?」
「あっ、うんうん皆で行こー!」
「(どうでもいいけど俺もしっかり頭数に入れられてるんだな… まぁいいや。俺経験者だしな。外山もだけど。)」


[つづくと思う]


「たのもぉ!先生、連れてきたよー」
「う、うおっ、いきなり3人もか?…無茶な事してないだろうな?」
「ええ~、もっと褒めてくれると思ったのにぃ。」
「センセー、俺ら経験者だから稽古着と防具借りてテキトーにやってていいすか?」
「おおーいいよーいいよー好きにやりなぁ、勝手にやりなぁ。」

 (経験者、ねえ…? まぁ、手がかからなそうでいいか。)

「んじゃ、ええっと…」
「サヤだよ!桑原鞘子!サヤって呼んでね」
「うん!じゃあ桑原さ…サヤは体操服はあるよね?それに着替えてアタシと基礎トレだぁ~」
「おぅ!基礎トレいいねえ~ 青春だぁ!燃えるぅ!」
「う~ん、よく分からないけど熱い子だねえ…」

 (お前もだけどな…)
 心の中で2つ突っ込みを入れつつ、黙ってるコジロー。


 それぞれ着替えて出て来る4人。

「じゃあ、校内の走り込み、行ってみよー」
「おう!桑原鞘子、行きます!」

 二人でランニングに出ようとすると後ろから声がかかる。

「あっ、ちょっと待ってよ、千葉…さん?」
「…うん?外山くんどうしたの? あと、私の事は、キリノでいいってば!」
「走り込みは一人でもいいじゃん、お互い実力知りたいしさ、俺と地稽古しねえ?」
「うーんと、私はいいけど、桑原さん、一人でもだいじょう…
 って、ありゃ? もういないね; じゃあ外山くん、やろうか!」

 (外山…またかよ… あーあ、知らねえぞ俺は。)
 大体顛末は分かってても、止まらないので黙ってる岩佐。


 (…はぁ、はぁ、はぁ。)
 (よく考えたらこれ何周くらいするのかな…)
 陽も傾きかけるくらい走り込んだ後、キリノが居ない事に気付くサヤ。

「えっと、千葉さん!? …うう、なんでアタシ一人なのぉ?
 これが噂に聞く新入部員イジメってやつかあ、ちくしょー!へこたれるもんかぁ!」


 サヤがダッシュで道場に戻って来ると、剣道の試合をしてる(?)キリノと外山。
 (むーこれが剣道の試合ってやつかぁ!いいねぇ、いいねぇ!)

 (…あれ? でも、千葉さん… なんか凄くシンドそうだよ?)
 (それに外山…くん、だっけ、なんか痛そうなとこばっか叩いてない?)

「ねえ先生、あれって大丈夫なんですか? 千葉さん、辛そう…だよ?」
「んー、ちょっとありゃ、流石にマズいなあ。」

 そんな会話はつゆ知らず、Sっ気満載でキリノを叩き伏せる外山。

「弱ぇぇなあキリノ… 中学の時から剣道やってんだろ?オラ!オラ!」
「あいだだだぁ…(涙声)」

 ぶちっ。

「(そろそろ止めんといかんな。)おい、ちょっとそこ…!!」
「バッカ野郎ォォ!!!! この、外山ッ!!!! っざっけんなぁーーーッ!!!!」

 コジローの竹刀を奪い取り、全身全霊の力で外山をシバき倒すサヤ。

「女の子相手にビシバシビシバシ叩いて何考えてるのよアンタは!?
 それでも経験者か!恥を知りなさいよ、恥を! …ってアレ?」
「(ん、あら?あらららら?)お、おい外山くん?」

 後頭部にいいのが入り、完璧にのびる外山。
 元々止めに入ろうとしていたコジローが慌てて診る、が。

「おーい。外山くーん。 …あちゃー、完全にノびてるな。」
 こりゃ、しょうがないな。岩佐、お前ツレだろ?保健室にでも連れてってやれ。」
「うぃーす。」

「…あ、待て。まぁ大丈夫とは思うが、犯人は黙っといてやれよ?」
「はぁ?なんでっスか?」
「一応そいつも段持ちらしいから、素人にどつかれて気ぃ失ったんじゃ面子もないだろ。
 俺が止めようとしてやり過ぎたって事にでもしといてやれ、な?」
「いっすけど… こいつドSだから先生に復讐するかもっスよ?」
「生徒にやられるほど落ちぶれちゃいねぇよw」
「そッスか。んじゃ。おら外山~行くぞぉ」

 外山を担ぎ上げ、出て行く岩佐。


「先生、ゴメンなさい…」
「いや、俺も止めに入るの、遅かったしな。それよかお前もそっち、キリノを介抱してやれよ。」
「うっ、うん!」

 とてててて、ヘタり込んでるキリノの元へやって来るサヤ。

「あう~、さっきはありがとう~桑原さん~」
「大丈夫?全く酷い奴もいるもんだね!青春の敵だぁ!」
「うーん、ちょっと止め所わかんなくなっちゃってぇ~ でも…桑原さんは、きっと強くなるよぉ~」
「ほ、ほんとかな?」
「うん、男子一発でのしちゃうなんて、大したもんだよ!すごいすごい!」
「あっ、ありがとう… その、…千葉さん?」
「き・り・の。」
「えっ?」
「桑原さ…サヤにはまだ、ちゃんと自己紹介してなかったよね。あたし、千葉紀梨乃!"キリノ"って呼んでね!ふふっ。」
「千葉…キリノ… うん、キリノ! あたし、桑原鞘子!"サヤ"だよ! よろしくね!えへへっ!」
「こちらこそ、サヤ、これからもよろしくっ!」

 …そんな感じの、出会いでした。とかなんとか。




[おわってないけどおわり]