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全く何も無い部屋。
そこに100に迫らんとする大勢の男女が雑魚寝している光景は酷く滑稽だろう。
そんな滑稽な姿が、今ここにある。

「んー。何処でしょうここは?」

水無灯里が目覚めて最初に発した言葉は恐らく、この場にいる全員の言葉を代弁したものだ。
それだけ全員が、急に起きた異変に戸惑いを隠していなかった。

「あらあら灯里ちゃん起きたの」
「はっ、はひ。おはようございます。アリシアさんここはどこでしょう?」
「分からないわ。目覚めたらここにいたの」
「そうですか」

灯里とアリシアは顔を見合わせると、互いに複雑な表情を浮かべる。
他の者たちも口々に状況を話し合う。
しかし、それは短時間で終わる事になる。

不意に部屋の中心に二人の男が現れたのだ。

「静かにしなさい。僕はこの戦いの見届け人を務めるジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドだ。ワルドと呼んでくれて構わない」
「俺はバルマスケの一人シュドナイだ。名前は勝手に呼べ」

二人の男は自己紹介を努める。
片や紳士風の上品な感じの男。片やワイルドさ漂うダンディな男。
その二人の一挙手一投足に全員の視線が奪われていた。
しかしそれを打ち破る二人の男女が現れた。

「ワルド!?お前どうして?」
「シュドナイ、あんたどうして私達を!?」

二人の男女はそれぞれがワルドとシュドナイを名指しで問いかけている。
その声を聞き、ワルドの方が返答する。

「サイト君か。別に大した理由は無いさ。君たちに負けてから僕の世界を手にする夢は暗礁に乗り上げた。そこで彼らバルマスケに
出会ったのさ。彼らの行う遊びに僕がオブザーバーとして手を貸せば、変わりに僕がハルケギニアの全てを手にするのに協力してくれると
契約をしてくれた。だから僕はここにいるだけさ」

ワルドは淡々と話し続ける。
しかし、それにやはりサイトが言い返す。

「遊びってなんだよ。バルマスケ?わけがわかんねー」
「俺たちのことだ。バルマスケとはな」

怒り交じりに話すサイトをさえぎるように、シュドナイが話し出した。
威圧感を覚える声に、思わずサイトも沈黙してしまっていた。

「俺のほかにここにいるヘカテーとペリペオルの三人がバルマスケだ。機会があれば姿は見れるかも知れないな」
「シュドナイ!それでさっきの遊びって何よ。さっさと言いなさいよ」

今度はシャナのほうがシュドナイを怒鳴りつける。
するとやはりワルドの方がシュドナイとシャナの間に入り、説明を続ける。

「僕が説明しよう。まあ言うなれば殺し合いをやってもらいたい。最後の一人になるまで続けてもらう。無論食事、時計、照明器具等は
こちらから支給させてもらう。一応それぞれの普段の食生活を調べた上で口に合う物を支給しているから、それは心配は要らない。
また君達は中には既に気付いている者もいるかもしれないが、こちらで武器は没収させてもらった。代わりにランダムで武器を配らせて
もらっている。三個貰える者もいれば、一つだけの者もいる。これは完全に運だと思ってほしい。また六時間おきに定期放送で死亡者を
知らせる放送をしよう。これは禁止エリアも一緒に知らせるので聞き逃さないようにしてもらいたい。禁止エリアに侵入した場合は、
一分の警告の後に首輪を爆破させてもらう。ここまでで何か質問はあるかね?」

そこで一度ワルドは話をきる。ワルドの説明を中断するやいなや、
その場にいるものは全員が首に手を当てて、確かな鉄の感触を確かめる。
そしてその場には、ざわめき、混乱、驚き、騒然といったさまざまな対応をする者で溢れかえる。

「……質問が無いようなので殺し合いを行ってもらおう。会場にはテレポートで移動してもらう。それでは……」
「待てっ!」

そこでワルドをさえぎるように一人の神父服の男が立ち上がった。

「この俺をこのような異教徒共と同じ場所に放り込んで殺しあえか。ハハハハハハハハハハまずはお前のような化け物から殺す!
その後にこの場にいる異教徒と化け物の殲滅を行うが、お前が最初だ!!!」
「アレクサンド・アンデルセンといったか。君には会場の方で思う存分に大暴れを期待していたのだが。残念だな。しかし有る意味では
好都合だ。僕の強さを他の者に教える良い機会だ。武器を返却する。思う存分戦うが良い」

アンデルセンの発言にワルドが苦笑いをしながら、バヨネットを数本投げ渡す。
するとそれを拾い上げながら、十字に構える。

「ぐおおおおおおおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

雄たけびと共にアンデルセンはワルドに突っ込んでいく。
しかし、アンデルセンの強烈な一撃を、ワルドの一本の剣が軽く捌く。

「この程度か。これで僕を殺すなどあまりにも愚かだ」

勝負は一瞬だった。
ワルドの剣の一閃がアンデルセンの首を撥ねる。
それで勝負はあまりにもあっけなく終わった。

「邪魔が入ったけれど、殺し合いを続行する。それではテレポートの準備を……」
「まあ待てよ。先に首輪の爆弾の威力も教えた方が良い」
「そうか。ではそれは君に任せよう」
「ああ」

ワルドがテレポートを行う手前、シュドナイがさえぎり、右手に握ったスイッチを掲げる。

「これは爆弾の起爆スイッチだ。殺し合いに参加せずに死にたい者は名乗り出ろ。一名に限りこの場で爆破してやろう」

シュドナイのぶっきらぼうな声に、答える物は誰も居ない。
話せば死ぬ。
そんな緊張感がこの場を包んでいた。
しかし、それを挑発と受け取り、無謀にも立ち上がる者が一人居た。

「ははは。下らない。そのような脅しに私が屈するとでも。先ほどの殺しといいその程度で私を大人しく出来るわけが……がっ!」

その男は言葉を最後まで言い切る事さえ出来ずに哀れに首が弾けた。
シュドナイがスイッチを押していたのだ。
当然その場にはいくつかの悲鳴が響く。

「じゃあ始めるぞ。お前たちがどんな戦いをしてくれるか。楽しみにしてるぞ」
「ではテレポートだ。どこに行くかは完全に運だ。思う存分殺し合いを楽しんでもらいたい」

悲鳴を無視したシュドナイが開幕宣言を終えると、ワルドがテレポートを行った。
すると一瞬で部屋には静寂が戻る。
その場に残るは、ワルドとシュドナイ。そして二つの死体のみ。

バトルロワイアルが始まった。

【アレクサンド・アンデルセン@HELLSING 死亡】
【無常矜侍@スクライド 死亡】

残り96人