暖かい光りが差す穏やかな海面に一隻の船が静かに漂っています。
甲板の船員たちは一面の海を眺め、顔に当たる風を楽しんでいました。
波が船体に当たる音と海鳥の鳴き声、それはまるで演奏のようです。
穏やか過ぎる海に船員たちはいつしか警戒心を忘れ、
前方に現れた巨大な岩と地獄へと吸い込まれてしまいそうな
大きな渦に気が付きませんでした。
一瞬、船内から空を裂くような悲鳴が上がったかと思うと、
船は岩にぶつかってばらばらになり
船員と共に深海へと吸い込まれていきました。
この事件の後、世界各地の海で、
怪事件が相次いで発生し始めました。
このことを聞いた海神―ポセイドンは顔を赤らめ、
事件の原因を解き明かそうと急いで海に出ました。
ポセイドンは片手で槍を振りかざし、片手に手綱を握り、
馬車で海の上を駆けて行きます。
ポセイドンの怒りの一喝でガイア大陸が大きく揺れ、
海から上がった巨大な津波が雨や雨雲となり、
世界の海が一瞬にして荒れ始めました。
ゼウスが空から雷を落とし
ポセイドンの一喝に答えます。
ゼウスは神々を率いて乱の源を探り始めました。
『愛する人を恐怖から守りたいなら武器を持って立ち上がれ。』
『これはお前を英雄へと導き試練だ』
最終更新:2015年08月11日 12:34