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遺書

遺書

榊 千鶴

白銀武様

形式張った手紙など、あなたのことだからきっと嫌がるでしょう。

ですから、素直な思いを書き綴ります。

最初にあなたに遺書などというものを
押し付けてしまったことをお詫びします。

あなたの考え方からすれば、決して良い気持ちはしないでしょうし、
遺書など書かないと言っていた人間からであれば尚更でしょう。

ですが私は、どうしてもあなたに感謝の気持ちを
伝えておきたかったのです。

あなたと知り合ってまだ二ヶ月と少し。

けれどあなたには、ひと言で言い表せないぐらいの、
多くのことを教えてもらいました。

すべてを人並み以上にこなし精神的にも秀でていたあなたには、
有無を言わさぬ信頼感がありました。

一方私は、正規配属によって隊長という立場を
離れ、先輩や上官と接し、そうすることでやっ
と自分の視野の狭さに気付く始末。

まして、隊長で無くなったことに安堵すら感じていたのです。

一時でも張り合おうと思った自分に、微笑ましささえ憶えます。

ですから、桜花作戦の部隊指揮を命じられた時は、
正直辛く、重圧に押しつぶされそうでした。

ですが、ここで逃げ出したら、私は私を育ててくれた隊の
皆やあなたに報いていないことになります。

そう思い直し、自分への挑戦のつもりで、
精一杯臨みます。

どうか、見ていてください。

ひとつ心残りなことは、この遺書をあなたが読んでいる時、
私はもう戦死しているということです。

尊敬するあなたからの評価が聞けないのはとても残念です。

恐らく、神宮寺軍曹や伊隅大尉達からのお叱りを
受けていますので、気が向いたら、
正門前の桜の木まで冷やかしに来てください。

最後に。

こんなことを書く、卑怯で我が儘で弱い私を
許してください。

私はあなたが好きでした。

鑑のことを知っても、この思いは消すことができません
でした。

あなたと鑑の幸せを祈っています。

2001年12月31日

榊千鶴

珠瀬 壬姫

白銀武様

たけるさん、本当にありがとうございました。

私は、たけるさんからたくさんのことを学びました。

だからとても感謝しています。
尊敬もしています。

たけるさんと出会ってからの二ヶ月、色々なことがありました。

私がこれまで信じてきたことの意味を、
真剣に考えなければならないことばかりでした。

そんなとき、たけるさんの考え方は、うまく言えないけど、
私の理想だったと思います。

辛くても、くじけそうになっても、
夢は自分で掴み取らなきゃ駄目なんですよね。

痛みから逃げたり、痛みを与えずに成し
遂げられることはないんですよね。

私の夢は、やっぱりみんなに幸せになって欲しいということです。

私の大好きなみんなが、世界中の人たちが、
仲良く笑っていられる世界になってほしいです。

その夢に変わりはありません。

だから私は、桜花作戦を絶対に成功させます。
夢の実現のために、私が、みんなと一緒に道を
拓くんです。

たけるさんがこの手紙を読んでいる時、
私はそのために命を落としています。

でもこの手紙がたけるさんに読まれるということは、
世界が、平和に向けての大きな一歩を
踏み出した証拠だと信じています。

遺書を書かないと言ったのに書いているのは、
わたしがまだまだ弱いからです。

だって、きっとたけるさんは書いていないと思うから。

速瀬中尉には腕立てとか腹筋とか追加されそうだけど、
でも、胸を張ってみんなに会いに行きたいと思います。

精一杯頑張ったって、言うつもりです。

たけるさん、まだまだ戦いの日々が続くと思うけど、
絶対に幸せになってください、

鑑さんを幸せにしてあげて下さい。

最後にもうひとつだけ、弱さを見せる私を許してください。

私は、たけるさんに愛してもらっている
鑑さんがうらやましかったです。

さようなら。

2001年12月31日

珠瀬壬姫 

彩峰 慧

白銀武様

白銀にはいろいろ迷惑をかけましたが、こんな私と真剣に
向き合ってくれてありがとう。

お節介な白銀のおかげで、私は人間として
成長できたと思っています。

私は最初、あなたが追い求める理想を、
白々しいと思っていました。

確かに白銀は凄い衛士だけど、
心は半人前だと思ったから。

でも、そんな半人前のあなたが、どんな辛いことがあっ
ても、くじけずに立ち向かう姿を見ているうちに、
私は自分が恥ずかしいと思うようになりました。

そして、父さんの行いを恥じ、社会を憎む気持ちは、
結局逃げでしかなかったことに気付きました。

私は本当に、自分のことしか考えていなかっ
たんだと、はっきりわかりました。

あなたの様に、自分のために他人のことを
一生懸命やれるように頑張ろう。

ほんの少しの時間でしたが、人生の最後にそう決意し
行動できたことは、私にとって幸いでした。

お礼に良いこと教えてあげる。

私は白銀が好き。

どうしようもないくらいに好きです

いつからこんな気持ちになったのか、自分でもよくわかりません。

でも、気がついたら、いつも白銀のことばかり考えていました。

気がつくとあなたを目で追っていました。

あなたが特殊任務で行かない日の訓練は、
本当に嬉しかった。

PXでいつもとなりに座りたかった。

でもやっぱりあなたには鑑がお似合い。

私はやきもちやきだから、桜の木に来るときはひとりで来て。

さようなら

ヤキソバパン、美味しかったです。

2001年12月31日

彩峰慧

鎧衣 美琴

白銀武様

かしこまって書くのは苦手なので、
ボクらしく気軽に書きたいと思います。

最初、男の子扱いされたことはちょっとショックだっ
たけど、ボクはタケルに出会うことができて本当に幸せでした。

タケルは何でもこなせる凄い人です。

でも、まわりの人たちが言うような万能の
超人ではないと思います。

タケルだって悩み苦しんでいたし、
辛かったこともたくさんあった筈です。

それなのに周囲の期待は大きくて
応え続けるのは並大抵のことではなったと思います。

ボクはそれが一番凄いと思いました。

頑張ろうとしているタケルの姿は、
ボクの励みであり、心の支えでした。

辛かったことも、悲しかったことも、タケルがいてくれたおかげで
乗り越えることができました。

本当にありがとう。タケルのそういう所は心から尊敬しています。

きっと部隊のみんなも、ボクと同じだったんじゃないかな。

僕は伊隅大尉に注意を受けて以来、自分なりにマイペース
過ぎる部分を直そうと頑張ってみました。

短い間だったけど、そのおかげでいろん
なことが見えるようになった気がします。

もっともっと頑張ってタケルを驚かせたかったけれど、
それができなくて残念です。

男の子みたいな変な奴っていうイメージだけは、
変えておきたかったけど、タケルの思い出のなかにボクを
残してもらえるなら、それでもいいかな。

最後にタケルに伝えたいことがあります。

僕のマイペースに付き合わなければならないのも、
これが最後ですから我慢して。

ずっと隠してきましたが実は僕、タケルが大好きです。

もちろん、女の子としてだよ。

ずるいやり方をしてごめんなさい。

でも、僕がタケルを好きでいたことは許してください。

こんな(ことを)書いておいて何だけど、純夏さんを幸せにしてあげてね。

やっと再会できたんだから、絶対にはなしちゃだめだよ。

さようなら。

2001年12月31日

鎧衣美琴

手紙

白銀 武


――鑑 純夏 様
まだ夢を見ているのか、それともこれが現実なのか、今でも時々思うことがある。
この世界におまえは存在せず、オレの過去を証明してくれるものは何もない。
でも、それでも、未来はあった。
命を賭けて守らなければならない、とても危ういものではあるけれども。
ゲームガイが突然壊れて、動かなくなったあの日、オレの居場所が決まったような気がした。
何をどうしても、もう二度とおまえのいるあの世界を見ることは無いのだと確信した。
いや、この世界で守るべきもの……自分以外の大切なものを見つけたその日から、覚悟はしていたことだ。
だからオレはもう……二度とおまえに会うことはないだろう。
……意味不明でごめん。
単刀直入に書くことにする。
驚くかもしれないけど、オレは今この世界で、ひとりの女を愛している。
彼女のためなら何でもできる。
死ぬこともいとわない。
きっとこの覚悟はとても陳腐に聞こえるだろう。
おまえの世界じゃこの言葉に現実味はないし、使い古されてしまった言葉だから。
きっと笑われる。 
でも、おまえだけは違うんじゃないか……そう信じて、これを書いているんだ。
幼なじみとしてずっとやってきて、オレの良いところも悪いところも全部わかっているおまえなら……。
オレが冗談を言っているのかどうなのか、きっとわかってくれるだろう。
むしろ、こんな手紙を書いていることが知れたら、こっちの世界で笑われる。
――さようなら、純夏
――さようなら、父さん、母さん
――さようなら、尊人
…………あとは、いい。
別れを言うのはこれだけで、いい。
……さようなら。