ミート・ザ・オフィサーズ


目を覚ますと、あたりはすっかり暗くなっていた。

どうやら、履歴書に押すハンコを探しながらベッドで寝てしまっていたようだ。
一階で物音がする。母親が帰ってきたのだろうか。

僕は重い足をよっこらしょ、と持ち上げ、階段を降りて、
母に無言で書きかけの履歴書を渡し、そっとハンコ欄を指さす。
それに母も応じ、居間からハンコを持ってくると、
そういえばインクが不足してるんだったわ、どこに補充用のやつがあったかしら、
と誰が聞くでもない独り言をつぶやきながら、またいそいそと居間へと消えていく。

僕はその間、漫然とくだらないバラエティを流し続けるテレビやたたみかけの洗濯ものに目をむけながら、
なんとなく居心地の悪さを感じていた。


477ちかぽよ:2014/12/02(火) 21:59:40 ID:cZ/A0XVA0
母から無事印鑑ゲットした
もう心配事は無い 明日2時半に家を出て面接に向かう 全ては順調だ


よし。これで準備万全だ。
僕はもう、弱い僕じゃない。
荒れ狂う砂漠のような社会へと一人で歩み出す、立派な戦士なのだ。
もう僕をバカにするやつは、掲示板に一人もいない。


478タチネコくん◆ifxaa/5/ew:2014/12/02(火) 22:15:41 ID:tkuSqn/g0
泣ける
もうちかぽよの家族を人質に脅迫レイプするの止める(;_:)


よかった。レイプも阻止したようだ。

明日にそなえてパソコンで面接のマナーをにちゃんねるのまとめサイトで見ていると、
気になる記事が右から左へとどんどん流れていく。

僕はそれを一つ一つ見ながら、冬の長い夜の時間をつぶしていた。
気が付いたころには、もう時計は子と丑の刻をまわっていて、5の数字をさそうとしている。
明日は面接だ。そろそろ寝よう。


484ちかぽよ:2014/12/03(水) 05:02:47 ID:cZ/A0XVA0
「世界にもうひとさじ悪意を振りまいたら」
名著間違いなし、いつか執筆する



掲示板に高らかに宣言する。
これは、いわば僕が書こうとしている自伝だ。
20歳まで不遇の人生を送ってきた若者が、一念発起して社会に挑戦する。
ミリオンセラー間違いなしだろう。


486タチネコくん◆ifxaa/5/ew:2014/12/03(水) 05:11:25 ID:tkuSqn/g0
ちかぽよのエロ本見たい

何やら勘違いしているファンもいるが、まあ、いい。

それより、早く寝よう。

 

 

第2章 終

 

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最終更新:2014年12月04日 19:35
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