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アオイシロ・アナザーストーリー

★ヤンデレの安姫に死ぬほど愛されて眠れないコハク


 九郎様、お久しぶりでございます。
 この姿では分かりませんか?私です。お安です。
 やっと・・・やっとこうして、私は九郎様にお会いする事が出来ました。
 この身体の姿形は維己の物ですが、この心、この想いは紛れも無くこの私の物です。
 根方一族に捕われの身となってしまった私が、こうして九郎様と再びお会いするまでに、随分と長い時が流れてしまいました。
 ですが、私は今こうして、九郎様と一緒にいる・・・。こんなに嬉しい事はありません。 

 ……え?それよりもナミは無事なのか・・・ですって?そんなの九郎様が別に気になさるような事ではありませんよ。
 だって、今の九郎様には私がいるではありませんか。だから維己の魂が天へと還った事くらい、別にどうという事はありませんよね?
 え?ですから今言った通りですよ?今のこの身体は私の物です。維己は死にました。
 ですが、それがどうしたというのですか?だって、今の九郎様には私が・・・

 九郎様、何ゆえにそのような怖い顔をなさるのですか?
 私が維己の身体を乗っ取った事で維己が死んだとはいえ、こうして私は九郎様と再会する事が出来たのですよ?だから維己が死んだ程度の事で何を・・・
 ……ああ、申し訳ありません、九郎様。この私とした事が配慮が足りませんでした。
 私の今のこの姿形が、私の物では無いという事が気に入らないのでございますね。

 そうですよね。いきなり維己の姿をした者にこのような事を言われたのでは、九郎様もお困りでございますよね。
 ですがご安心下さい。少々お時間を頂きたいのですが、私の力でこの身体を、元のお安の姿に戻して差し上げますから。
 ただ、それには相当力を使ってしまいますので・・・そうですね、桂と柚明がその身に宿す贄の血を取り込めば問題無いでしょう。
 九郎様。誠に申し訳ありませんが、そういう訳ですので少し席を外させて頂きます。
 大丈夫です。桂と柚明を殺しに行くだけですので、それほどお時間はかかりませんよ。

 ……九郎様?何ゆえにオニワカを召還なされたのですか?
 え?一体何をおっしゃっているのですか?ナミを殺しただけでなく、桂と柚明の命まで狙うのは許せない?今ここでお主を止める・・・ですって?
 何故ですか九郎様。何ゆえにそのような事を申されるのですか?
 だって私が維己の身体を乗っ取ったお陰で、私は九郎様とこうして巡り合う事が出来たのですよ?
 私が桂と柚明の贄の血を取り込めば、私は正真正銘、元のお安として蘇る事が出来るのですよ?
 それなのに何故、それを止めようとなさるのですか?

 ……ああ、そうでございましたか。申し訳ありません九郎様。この私とした事が配慮が足りませんでした。
 そのオニワカが九郎様を無駄に消耗させたせいで、九郎様は正常な判断力を失われてしまわれたのですね。
 可哀想な九郎様・・・このような下衆な式神を呼び出したせいで力を消耗して、そんなにつらそうに・・・。
 大丈夫です。ご安心下さい。今から私が九郎様を、このような下衆な式神から解放して差し上げますから。


 ドカッ!!バキッ!!グシャッ!!


 うふふ、所詮は力に頼るしか能の無い下等な式神でしたね。
 この程度の実力でこの私をひねり潰そうだなんて・・・あまりに可笑しくて、本当に笑いが止まりませんわ。
 こんな下等な式神など、崇高な九郎様にはふさわしくありませんよ。それに九郎様をこんなに苦しめた罪・・・万死に値しますわ。
 ですからたった今、この私が殺して差し上げました。
 ですが、これからは九郎様には私がいます。ずっとそばにいて差し上げます。
 九郎様、これからは悠久の時を、この私と永遠に生きていきましょう。

 ……何故ですか九郎様・・・何ゆえにそのような事を申されるのですか?
 私は九郎様をオニワカから解放して差し上げたのですよ?それに私はこんなにも九郎様の事をお慕い申しているというのに。
 それなのに私を許せないだなんて・・・一体どういう事なのですか?

 ああ、そうでございましたか。きっと九郎様は、梢子たちに絆(ほだ)されてしまわれたのですね?
 梢子たちと接する内に、九郎様は梢子たちに毒されてしまわれたのですね?
 でなければ九郎様がこの私を許せないだなんて、そんな馬鹿げた事を言うはずがありませんもの。
 何という傲慢な女共なのでしょう・・・会ってまだ数日しか経っていない九郎様を狂わせ、誑(たぶら)かすなんて・・・!!
 この私は、九郎様と長い年月を共に過ごしてきたというのに・・・その私を差し置いて九郎様を・・・!!
 本当に可哀想な九郎様・・・ならば、今から九郎様に寄り付くあの女共を、まとめて始末しなければいけませんね・・・!!

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 九郎様、おはようございます。よく眠れましたでしょうか?
 昨夜は突然九郎様を眠らせてしまった事に関しては、本当に申し訳無く思っております。
 ですが私の邪魔をしようとする九郎様がいけないのですよ?
 これも九郎様を大切に想うが故・・・。ご理解頂けないでしょうか。

 え?九郎様、何をそんなに驚かれておられるのですか?
 ああ、私が元の姿を取り戻した事にびっくりしてしまわれたのですね。
 ええ、九郎様が眠っていらっしゃる間に、桂と柚明を殺して贄の血をたっぷりと頂きましたから。これ位の事は造作もありません。

 ただ、維己が着ていた服では私の縮尺(サイズ)に合わなかったので、咲森寺に置いてあったこの服を拝借したのですが・・・
 この時代の娘が着る服は、ちょっとスースーして恥ずかしいですね。うふふ。
 それと、九郎様を誑かした梢子たちも、ついでにまとめて殺しておきました。
 これでもう、私と九郎様の邪魔をする者は存在しません。私がいつまでも九郎様のそばにいて差し上げます。

 そう言えば、梢子たちを殺すためにこの咲森寺まで足を運んだのですが、そこへいきなり馬瓏琉が襲ってきたんです。
 それで馬瓏琉ったら、私にとても酷い事を言ったのですよ?

 「瑠璃宮の門を開く為の生贄として、虎姫を頂く。虎姫をどこに隠したのか教えろ。」って。

 それで、ついカッとなって殺してしまいました。
 馬瓏琉ったら、九郎様を自分の所有物か何かと勘違いしていたのでしょうか。全く何を考えているんだか・・・。
 私も馬瓏琉に関しては、九郎様を私と同じ不死の肉体に変造し、悠久の時を過ごす力を与えて下さった事には感謝しているんです。
 その感謝の意を込めて、殺さずに見逃して差し上げようと思っていたのですが・・・。

 ですが、それはそれ、これはこれです。己の身の程をわきまえずに、九郎様を瑠璃宮の門の生贄にしようだなんて。
 ですからあの不届き者は、この私が殺して差し上げました。
 それにしても、あの程度の実力でこの私を殺そうだなんて・・・今から思い出しても本当に笑ってしまいますわ。

 そうそう、瑠璃宮の門で思い出しましたが、九郎様を苦しめる存在は例え何であろうと許せないので・・・。
 なので、ついでに瑠璃宮の門まで足を運んで、クロウクルウも殺しておきました。
 しかしよりにもよって、化け物の分際で九郎様と同じ名前を名乗るなど・・・許せません。一体何様のつもりなのでしょうか。
 それにしても、あの程度の化け物を今まで滅ぼせなかったなんて・・・根方一族も今まで一体何をやっていたんだか・・・。

 あ、ご、ごめんなさい九郎様。私ったら目覚められた九郎様に、朝食を用意せずに放置するなんて・・・!!
 本当に申し訳ありません九郎様。今からすぐに用意いたしますので。
 ささ、どうぞお召し上がり下さい。私が九郎様の為に心を込めて作りました。私と一緒に食べましょう。
 あまりめぼしい材料が無かったので、見ての通りご飯とお味噌汁しか作れなかったのですが・・・それでも味の方は保証いたしますよ?
 もちろん、昼からは材料を調達してきますので、もっと豪勢な料理を用意して差し上げます。

 え?どこから調達してくるのかって?大丈夫です。ご心配なさらないで下さい。路銀(お金)の事なら九郎様が何も気になさる事は無いですよ。
 この寺に滞在していた葛から、この「きゃっしゅかーど」とやらを強奪しましたから。食べていく分には何の問題も無い位の額は入っているそうなので。
 どうやって路銀を引き出せばいいのかも、葛を拷問して吐かせましたしね。
 先程「こんびに」とやらに立ち寄って、実際に路銀を引き出す事も出来ましたから。ですから何も問題はありません。
 もちろん、口封じの為に葛も殺しましたよ?
 それに仮に露銀が尽きてしまったとしても、その辺にいる者から路銀を奪えば済むだけの話ですものね。

 ……何故ですか九郎様・・・何ゆえにそのような事を申されるのですか?
 私はこんなにも九郎様の為に尽くしているというのに・・・何ゆえに私の事をお叱りになられるのですか?
 え?葛を殺したのはやり過ぎだ・・・って・・・それは一体どういう事なのですか?
 だって、今の九郎様には私がいるではありませんか。私以外の者がどうなろうと、今の九郎様にはどうでもよろしい事ですよね?

 ……そう・・・そうなのですね・・・本当に可哀想な九郎様・・・。
 きっと九郎様の身体は、取り返しがつかない程までに梢子たちに毒されてしまわれているのですね?
 死してなお、九郎様を苦しめるなど・・・何という傲慢な娘なのでしょう。
 8年前に私が命を救ってあげたというのに、それを恩を仇で返すような真似をするなど。
 分かりました。今から私が九郎様をお救いして差し上げます。
 九郎様を汚染する汚らわしい毒よ・・・九郎様の身体から消え去りなさい!!

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 九郎様、とても綺麗な夕焼けですね。先日のあの凄まじい嵐が、まるで嘘のようです。
 と言ってもあの嵐は、馬瓏琉が何か仕掛けをして起こした物だったそうですが。
 まあ、馬瓏琉が死んだ今となっては、そんな事はもうどうでもいい事なのですが。

 うふふ、九郎様の身体は、とても温かくて安心出来ます・・・。
 ずっといつまでも、こうしていたいですよね。
 九郎様、この私といつまでも一緒にいて下さいね。
 悠久の時を永遠に、この私と共に生きていきましょう。

 あら?あれは宗次ではありませんか。あんなに怖い顔をして、一体どうしたのでしょうか。
 宗次、今更この私に何の用なのですか?クロウクルウはもう私が殺しましたから、ヒノクスリはもう必要ありませんよ?
 え?維己と保美を殺したのが許せない?仇を取る・・・って・・・

 ……ぷっ、あはははは!!あはははははははははははは!!
 馬瓏琉に騙されていたとはいえ、維己を瑠璃宮の門の生贄にしようとした貴方が、今更何を言い出すのですか?
 自分の子供を殺そうとしておいて、今になって父親気取り?
 本当に根方一族というのは、どうしようもなく身勝手な一族なんですね。

 いいでしょう。分かりました。私も根方一族に対しては積もりに積もった恨みがありますので。
 ええ、この私を長年に渡って九郎様から引き離した罪・・・万死に値しますわ。
 ああ、九郎様がわざわざお手を煩わせるまでもありません。宗次ごとき小物、私1人で充分です。
 どうか九郎様、ここは私にお任せを。
 この思い上がりも甚(はなだ)だしい愚物に、私たちの怒りを思い知らせてあげますから・・・!!


 ドカッ!!バキッ!!グシャッ!!


 あら?宗次、何をそんなに驚いているのですか?
 私が月光蝶を使える事がそんなに信じられませんか?
 ええ、先日柚明を殺して贄の血を頂いた物ですから。ですから柚明ごときが使える術を私が使う事など、別に造作も無い事ですよ?
 まあ月光蝶ごとき低俗(低レベル)な術など、会得するのにわざわざ柚明の血など必要無いのですが。

 さて、そんな事は別にどうでもいいのですが。
 宗次。覚悟はよろしいですか?
 長年に渡って私たちを引き離した罪・・・その身を持って償いなさい。
 さあ、自らの手でその首を刎ねてしまいなさい。確か海石瑠(つばき)と言いましたっけ?あれを自分に放てと言っているのですよ。
 うふふ、いくらもがいても無駄ですよ。だって貴方の身体は私が支配していますから。
 ええ、これも柚明の術ですが、それがどうかしましたか?

 ……まあ、何と言う凄まじい精神力!!いかに柚明ごとき愚物の術とはいえ、私の束縛を打ち破るなんて!!
 ああ九郎様、大丈夫です。ご安心下さい。わざわざ九郎様のお手をわずらわせるまでもありません。
 九郎様はそうやって高みの見物をなさっていて下さい。
 ええ、わざわさ九郎様が直接手を下さずとも、宗次はそろそろ自滅する頃ですから。


 ズバーーーーーーーーーーン!!


 あら?どうしたのですか宗次。自分の刀で自分の身体を切り裂くなんて。
 うふふ、何をそんなに驚いているのですか?
 ええ、これはノゾミの術ですが、それが何か?
 言い忘れてましたが、私はノゾミの血も頂きましたから。 

 あなたは私を斬ろうとしたつもりなのでしょうが、鏡に映った自分自身を傷つけただけなのですよ。
 最も、鬼切りに属する者であるならば、あの全てを見抜く蒼白の瞳で、この程度の幻術など簡単に打ち破れる物ですが・・・
 どれだけ凄まじい剣術の使い手であろうとも、力任せに刀を振るう事しか出来ない貴方など、私の敵では無いのですよ。

 ……と言っても、もう聞こえていないようですね。
 こ~ら、九郎様、そんなに宗次の死体を蹴飛ばしたら駄目ですよ。汚いですから。
 え?私を傷つけようとしたのが許せない?九郎様、嬉しい・・・。
 大丈夫です、ご安心下さい九郎様。この私がいつまでもそばにいますから。
 もう日が暮れてきましたし、こんな愚物など放って置いて、そろそろ咲森寺に戻りましょう。

 私たちの『愛の巣』に・・・うふふ・・・うふふふふ・・・。