※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

アカイイト・アナザーストーリー

★裸の主さま・その2


1.究極の服・再び


 「主さま、ノゾミとミカゲ、お呼び預かりにつき、ただ今参上致しました。」

 ある晴れた日の土曜日・・・ノゾミとミカゲはまたしても主に呼び出され、近くのファミレスにやって来た。
 主はメロンソーダを飲みながら、とても真剣な表情でファッション雑誌を読んでいる。
 ノゾミとミカゲが主の反対側の席に座ると、店員が慌てて注文を聞きにやって来た。

 「お客様、ご注文の方はお決まりでしょうか?」
 「ダージリンティーのホットを頂戴な。代金は主さまが払うから。」
 「わ・・・私も・・・その・・・姉さまと同じ物を・・・代金は・・・主さま・・・」
 「はい、ダージリンのホット2つですね。かしこまりました。少々お待ち下さいませ~。」

 とても元気な笑顔で、店員がオーナーの下へと向かっていく。
 それを合図に主はノゾミとミカゲに向き直り、メロンソーダをぐぐっと飲み干したのだが。

 「・・・ゲホッ!!ゲホッ!!ゲホォッ!!」

 どうやら炭酸がキツかったらしい・・・。

 「主さま。炭酸飲料を一気飲みだなんて、カッコ付けようとして慣れない事をするものではありませんわ。」
 「・・・ゴホン。あ~、お前たちか。待っていたぞ。」
 「それで、今回は私たちに一体何のご用件で?」
 「うむ。このファッション雑誌の最新号の記事なのだがな・・・」
 「ああ、柚明と白花がいつも記事を書いてる雑誌ですか。」

 主は雑誌をパラパラとめくり、あるページをノゾミとミカゲに見せつけた。
 そこに載っていたのは上半身裸でカメラ目線でポーズを決める白花と、それを称賛する柚明の記事。


 『現在話題沸騰中、遂にCDデビューも果たした当社の人気アイドルルポライター・羽藤白花が魅せる、今時の男の肉体!!今日はそんな白花君の鍛え抜かれた肉体を、同じく当社の人気コラムニスト・羽藤柚明ちゃんに評価して貰ったぞ!!」

 『もやしでもマッスルでもない、白花ちゃんの中肉中背の鍛え抜かれた肉体は、まさに男の子の理想の姿の究極形よね。でもそんな白花ちゃんの肉体美さえも、桂ちゃんと梢子ちゃんの天使のような可憐な肢体には到底敵わないわ。ああっ、思い出したら鼻血が止まらないわ~!! 羽藤柚明』


 「・・・あの・・・主さま・・・まさかまた私たちに服を作れと仰るのですか・・・?」
 「さすがに話が早いな。やはり神たる者、その鍛え抜かれた肉体でもって人間共に威厳を示さねばならぬ。」
 「はぁ・・・。」
 「その為には、やはり私の鍛え抜かれた肉体をより引き立たせる服を用意する必要があると思ってな・・・そこでノゾミよ。紅蓮の山神としてお前に命ずる。」

 主はノゾミとミカゲに、神としての威光を秘めた瞳で高々と宣言した。

 「この羽藤白花の肉体美に負けないような、誰もが私の鍛え抜かれた肉体に注目して目が離せなくなるような、そんな凄くてかっこよくて、尚且つこの私の神としての威厳を引き立たせるような服を作るのだ!!」
 「はい、ダージリンのホット2つ、お待たせ致しました~。」
 「・・・あ、すいません、メロンソーダのお代わりお願いします。」
 「はい、少々お待ち下さいませ~。」

 いきなりの主の要求に、あっけに取られてしまったノゾミだったのだが。
 自分たちにポージングを決める主を見て、ノゾミは不敵な笑顔を浮かべた。
 前回同様、また何か悪巧みでも思いついたのだろうか。
 いずれにしても主は前回痛い目に遭ったばかりにも関わらず、まだ懲りていないようである・・・。

 「・・・承知致しました。全てこの私めにお任せ下さいませ。」
 「言っておくが・・・月光蝶を極めた者にしか見えない服というのは無しだからな?」
 「まさか。そのような代物で主さまの肉体美を際立たせる事など、出来ると思っていませんわ。」
 「では、納期は一週間後だ。それ位の時間があれば充分に出来るであろう?成功報酬は5万円、必要経費は服と引き換えに払ってやる。前回のような下らぬ企みでもされたら困るからな。」


 それから主の命令を受けて、主の肉体美をより際立たせる為の服作りに励むノゾミとミカゲだったのだが・・・


 ※ノゾミ・帰宅後


 「柚明!!桂のパンティーを1つ寄越しなさいな!!」
 「ええっ!?ノゾミちゃん、桂ちゃんのパンティーなんて一体何に使うつもりなの!?」
 「主さまの服の材料にするのよ!!」
 「何で!?」
 「毎日柚明が上着のポケットに入れているパンティーでいいわ!!寄越しなさい!!」
 「そんな事はさせないわ!!桂ちゃんのパンティーを主の服の材料にしようだなんて!!」
 「ならば力づくで奪い取るまでよ!!行くわよミカゲ!!」
 「ちょっ・・・!!」


 ※桂・帰宅後


 「柚明お姉ちゃん、ただい・・・まああああああああああああああああ!?」
 「あら桂ちゃん、お帰りなさい。」
 「何で柚明お姉ちゃんが鬼切り柚明お姉ちゃんになってるの!?しかもノゾミちゃんとミカゲちゃんが縛られてるし!!」
 「ちょっと桂!!ボサッとしてないで私とミカゲを助けなさいよ!!」


 ズギュン!!ズギュン!!ズギュン!!


 「あんっ!!あんっ!!あんっっ!!」
 「全く、私を誰だと思ってるんだか。ねえ、桂ちゃん?」
 「さすが柚明お姉ちゃん、相変わらず正確無比の銃の腕前だね(泣)!!」
 「あのね桂ちゃん。ノゾミちゃんがいきなり桂ちゃんのパンティーを寄越せとか言い出してね。」
 「何で!?」
 「主の服の材料にするからって・・・ノゾミちゃんったら一体何考えてるのかしら。」
 「何それ!?私を誰だと思ってるのかなあっ!?」


 ヒュンッ!!ドスッ!!


 「ちょっと桂!!いきなり維斗を投げつけないでよ!!刺さったらどうするのよ!?」
 「ノゾミちゃん、私のパンティーを主の服の材料にしようだなんて・・・一体どういうつもりなのかな・・・?」


 ※夏夜&仁之介、来訪


 「柚明ちゃん、さっき頼まれた腰の外来治療に来たんだけ・・・どおおおおおおおおおおお!?」
 「おいおい何だよこりゃ、何で桂と柚明が観月の民になってんだ?つーか何でノゾミとミカゲが縛られてるんだぁ?」
 「かくかく、しかじか!!」
 「成る程なぁ。ノゾミ。そりゃあお前さんの自業自得なんじゃねえのかい?」
 「おじい様、今はそんな事はどうでもいいですから、早く桂ちゃんと柚明ちゃんを元に戻さないと・・・」
 「どうでもいい?夏夜さん、随分と酷い事を言うんだね。私のパンティーが主に汚されようとしているというのに。」
 「え!?ちょっと桂ちゃん、柚明ちゃん!?」
 「夏夜さんには、私と桂ちゃんのお仕置きが必要みたいですね・・・」
 「ちょっ・・・!!」


 ズギュン!!ズギュン!!ズギュン!!
 ドカッ!!バキッ!!グシャッ!!


 「ぶぼべらあっ!!」
 「全く、私たちを誰だと思ってるんだか。ねえ、桂ちゃん?」
 「だよね~。剣鬼だか特錬の飛車か何だか知らないけど、その程度の実力で私たちに楯突こうだなんて。」
 「フン、夏夜を倒したのか。だが所詮夏夜は四天王の中では最弱の存在だ。」
 「何?今度はおじいちゃんが相手なのかな?」
 「あんまり俺を舐めんじゃねえぞ。嬢ちゃんよ。」


 ドカッ!!バキッ!!グシャッ!!


 「フン!!フン!!フンっ!!」


 バキベキボキッ!!


 「おあたあっ!!」


 ズガガガガガガガガッ!!」


 「ぶぎゃあっ!!」
 「ば・・・馬鹿な・・・っ・・・!?」
 「フン、未熟者どもめが。」
 「・・・仁之介・・・貴方一体何者なの・・・(汗)?」
 「んな事はどうでもいいんだよ。それより主の服を作るのにパンティーがいるんだってな?だったら夏夜がいつも持ち歩いてる梢子のパンティーでもいいだろ?ほらよ。」
 「ちょっ・・・おじい様!?」
 「ほれ、これで主の服が作れるんだろう?とっとと作ってさっさと行きな。」
 「おじい様、あんまりです~(泣)!!」
 「夏夜、柚明。お前ら本当に似たもの同士なのな。」


 ※良月の中


 「いいわね陽子!!今から主さまの服を作るから、絶対に鏡の中を覗いたら駄目よ!?」
 「いやぁ~、覗くなって言われると覗いちゃうのが人間の性なのよね~。2人は一体どんな服を作っ・・・て・・・!?」


 もぞもぞ、もぞもぞ、もぞもぞ。
 ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ。
 ねちょっ、ねちょっ、ねちょっ。


 「・・・嫌あああああああああああああああああああああああ!!」


 ……その後、あまりに凄惨な光景を目の当たりにした陽子は、ショックのあまり三日三晩寝込んでしまったのだという・・・。


 ※そして、7日後。


 「・・・約束の一週間は過ぎた。ノゾミよ。頼んでおいた服は出来たであろうな?」

 主に呼び出され、ノゾミとミカゲは近くの公園までやって来ていた。
 ノゾミはとてもニヤニヤしているが、ミカゲは物凄く不安そうな表情でノゾミを見ている。

 「はい、それはもう・・・最高傑作が出来ましたわ。」
 「面白い。ではその最高傑作とやらを見せてもらおうか。」
 「されば・・・」

 ノゾミがケースを開けると・・・そこに入っていたのは一枚のパンティーだけだった・・・。

 「ぬ・・・これは・・・!?」
 「いや~、私も色々考えたのですけれど、やはり主さまの鍛え抜かれた肉体をより際立たせるには、極めてシンプルな造形の服を用意したほうがよろしいのではないかと・・・」
 「しかし、これは女物の下着ではないか!!私の体とはサイズが合わぬのではないのか!?」
 「ご安心下さい。私とミカゲの力で伸縮性を強化致しましたので、並大抵の事では千切れる事はありませんので。」
 「ぬう・・・!!」

 主はノゾミが用意した梢子のパンティーを見て、眉を潜めて熟考する。
 確かに下手に派手な服を着てしまえば、自分の鍛え抜かれた肉体美が服の派手さに隠れて目立たなくなる恐れがある。
 だからこそノゾミは自分の鍛え抜かれた肉体をより強調する為に、思い切って極めてシンプルな造形の、女物の下着一枚だけという選択をしたのかもしれない。

 「・・・見事であった!!褒美を取らそう!!」
 「はは~~~~~~っ!!」

 全てが上手くいった・・・ノゾミはニヤニヤしながら主の事を馬鹿にしていた。  
 主の肉体美を際立たせる服を作れ・・・一件無茶な要求に思えるが、それはつまり『主の肉体美さえ際立たせる事さえ出来れば』それでいいという事を意味する。
 だったら下手な小細工などせずに、極めてシンプルにパンツ一丁用意すれば済むのではないかと・・・ノゾミはそう思ったのだ。
 そして単純馬鹿な主さまなら、適当な理由を付けさえすればごまかせるだろうと・・・ここまではノゾミの計画通りだった。

 ところが・・・

 「よしっ!!早速着るぞ!!」

 主はいきなり梢子のパンティーを顔に被った(汗)。
 いきなりの出来事に、ノゾミのミカゲも驚きを隠せない。

 「えええええええええええええええええええええ!?」

 その瞬間、主の中でなんか目覚めた。

 「・・・な・・・何だこの胸の高まりは・・・体が疼く・・・力がみなぎってくる・・・!!」
 「主さま!?それは被る物ではなく穿く物なんですけど!?」
 「もう・・・もう服を着てはいられない!!」
 「ちょっ・・・主さま!?」
 「クロス・アウッ(脱衣)!!」

 主はいきなり全裸になった(汗)。
 鍛え抜かれた主の肉体、そして大きなちんちんがむき出しになっている。
 公園にいる周囲の者たちは一斉に黄色い悲鳴を上げ、デジカメや携帯電話で画像を取り、中には警察に通報しようとする者も・・・。

 「・・・フオオオオオ・・・・・!!」

 それに対して梢子のパンティーを被った主はポージングをとりながら、意味が分からない溜め息を漏らしている・・・。
 唖然とした表情のノゾミの右手を引っ張り、ミカゲはノゾミを連れて慌てて逃げ出した。

 「姉さま、やばいです!!早く逃げましょう!!」
 「ちょ・・・ミカゲ!?」
 「後の怒り方が半端ではありません(泣)!!」

 ミカゲもまさか、主がここまで馬鹿だとは思っていなかったようだ・・・。

2.裸の主さま・再び


 「さっさと金を用意しやがれ!!この小娘がどうなってもいいのか!?ああーーーっ!?」

 青城の商店街の一角にある銀行の中で、馬瓏琉が梢子を羽交い絞めにして銀行員に現金を要求していた。
 他の客や銀行員も怯えた表情で震えており、駆けつけた警察も梢子を人質に取られているせいで下手に身動きが出来ない。
 少しでも余計な動きをすれば、梢子を殺す・・・馬瓏琉の鋭い眼光が、警察に無言の圧力を掛けていた。

 銀行員たちは成す術も無く、馬瓏琉の要求通りに袋の中に現金を詰めている。
 その様子を警察官たちは、苦虫を噛み締めたような表情で見つめるしかなかった。
 目の前で白昼堂々と銀行強盗が行われているというのに、それをむざむざと見過ごす事しか出来ないとは。

 「せめて・・・せめてあの少女だけでも、あのV系の男から助け出す事が出来れば・・・そうすれば機動隊を突撃させて・・・!!」

 刑事が歯軋りしながらそんな言葉を口にした、その時だ。

 「・・・スモーク弾を発射しろ。」

 刑事の耳元で囁く、1人の威厳ある男の声。
 慌てて刑事が振り向くと、そこにいたのは・・・梢子のパンティーを顔に被った裸の主さま。
 鍛え抜かれた肉体美、そして大きなちんちんが剥き出しになっている。
 その場にいた誰もが、一斉に黄色い悲鳴を上げて後ずさった。

 「・・・なななななななな、何だ貴様はあああああああああああああ(汗)!?」
 「いいからスモーク弾を発射しろ。あの銀行強盗を捕らえたいのであろう?」
 「し、しかし・・・!!」
 「人質を全員無事に助けたいのであれば、私の指示に従え。」

 いきなり顔にパンティーを被った変質者にこんな事を言われて戸惑う刑事だったが、今は何よりも人命救助が最優先だ。
 それに、この変質者の鋭い眼光・・・これは幾多の死線を潜り抜けてきた修羅の目だ。
 この男ならもしかしたら、あの銀行強盗を何とかしてくれるかもしれない。

 「・・・くっ・・・総員スモーク弾用意!!・・・てーーーーっ!!」

 警察官がバズーカ砲からスモーク弾を発射し・・・建物の内部が白煙に包まれた。
 水蒸気を圧縮した、人体には無害な煙。だがそれでも馬瓏琉の視界を瞬く間に奪っていく。

 「あぁ?目くらましかよ。小賢しい真似をしやがって。こんな物で俺の動きを封じるつもりだとは、笑わせてくれるじゃねえか。」

 馬瓏琉は全く気にする事無く、梢子を右腕で羽交い絞めにしながら、左手で銀行員が差し出した袋を掴もうとしたのだが・・・

 「・・・うん?何だこの柔らかくて生温かい感触は?」

 白煙に視界を奪われてよく見えないが、馬瓏琉は何か生温かい物を握り締めていた。
 何だろう・・・とても柔らかくて、凄く握り心地がいい。
 ドクン、ドクン、ドクン・・・馬瓏琉の左手に、激しい血の鼓動が伝わってくる。
 やがて白煙が消え失せ、馬瓏琉の視界に映ったのは・・・

 「・・・それは私のおいなりさんだ。」
 「ぬぎゃああああああああああああああああ!?」

 自分の左手が、主のちんちんを思い切りわし掴みにしている光景だった・・・。
 主は派手に腕組みをしながら、威風堂々と馬瓏琉を見据えている。

 「・・・フオオオオオ・・・!!」
 「主ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!てめぇ、何やってんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 「・・・フオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 なんかもう、何が何だか訳が分からないといった表情の馬瓏琉と梢子。

 「汚らわしい銀行強盗め。今からこの私が成敗してくれるわ!!」
 「いや、お前が今やってる事自体が無茶苦茶汚らわしいんだよおっ!!」
 「フオオオオオオオオオオオ!!」
 「この変質者がぁっ!!てめぇ気でも触れたのかよぉっ!?」

 馬瓏琉は主のちんちんから手を離し、慌てて間合いを離して龍戟を構えた。
 主もまた、何が何だか訳が分からない構えを取りながら、じっ・・・と馬瓏琉を見据えている。
 先程まで物凄く緊迫した空気に包まれていたというのに、主のせいで全て台無しである・・・。

 「フオオオオオオオオァァァァァァァァァァァッ!!」
 「くそがぁっ!!」

 互いに突撃し、2人の体が交錯する。
 常人には決して目で捉えられない、まさに一瞬の間に行われた刹那の攻防。
 次の瞬間、主は馬瓏琉に捕らえられていた梢子をお姫様抱っこしており・・・馬瓏琉はいつの間にかロープで亀甲縛りにされていた。
 驚愕の表情で、馬瓏琉はその場に崩れ落ちる。

 「何いいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
 「これより正義の裁きを遂行する!!」

 梢子をお姫様抱っこしながら、主は身動きが出来ない馬瓏琉に飛び掛り・・・そして・・・

 「ちょっ・・・やめろ!!やめてくれえええええええええええええっ!!」
 「ウェルカム(ようこそ)!!」
 「嫌あああああああああああああああああああああ(泣)!!」

 主は自らの股間で、馬瓏琉の顔を優しく包み込んだのだった・・・。
 馬瓏琉は苦しそうな表情でもがき苦しみ・・・やがてそのまま動かなくなってしまった。
 その様子を、呆気に取られた表情で見つめている客や銀行員たち。

 「フオオオオ・・・怪我は無いか?小山内梢子。」

 お姫様抱っこしていた梢子を、優しく降ろす主。
 主と梢子は、そのまま互いに見つめ合い・・・そして・・・

 「主・・・」
 「小山内梢子・・・」

 物凄い笑顔で、梢子は腰にぶら下げていた天照を抜いて・・・

 「・・・貴方・・・私のパンティーを頭に被って、何やってるのよ・・・!?」
 「・・・・・!?」

 振り下ろす!!

 「この・・・ど変態がああああああああああああああああああああああ(激怒)!!」
 「ぶぎゃあああああああああああああああああああああ(泣)!!」

3.怠慢の代償・再び


 『お待たせ致しました。JAX36便パリ行き・間もなくフライト致します。ご搭乗の皆様は席に着き、シートベルトをして下さいますようお願い致します。』


 ノゾミとミカゲは主の怒りが冷めるまでの間、主の目の届かない所まで逃亡する為に飛行機に乗っていた。

 「ああもう、主さまったら一体何考えてるのよ!?」
 「私も、まさか主さまが梢子のパンティーを顔に被るなんて・・・全く想定しておりませんでした。」
 「とにかく、今はここから逃げるのが先決よ。ここで主さまに出くわしたら・・・」


 『JAX36便パリ行き、フライト致します。』


 どんどん遠くなっていく地上の光景を窓から見つめながら、ノゾミは袋の中のポップコーンをバリボリと口にしている。
 だが次の瞬間、ノゾミは右手に違和感を感じた。

 「あら?何かしら?この柔らかくて生温かい感触は・・・」

 何だろう・・・とても柔らかくて、凄く握り心地がいい。
 ドクン、ドクン、ドクン・・・ノゾミの右手に、激しい血の鼓動が伝わってくる。
 怪訝に思ったノゾミが振り向いた、次の瞬間。

 「・・・それは私のおいなりさんだ・・・!!」
 「ぬぎゃああああああああああああああああああああああ!?」

 威風堂々と腕組みをしている主のちんちんを、ノゾミの右手が派手に握り締めていた・・・。

 「・・・やあ・・・ノゾミ・・・」
 「ぬ・・・主・・・さま・・・」

 主はノゾミとミカゲの隣の席にどっかりと座り、とても引きつった笑顔でノゾミを見据えている。

 「どこへ行く?」
 「その・・・えっと・・・ちょっと、フランスまでフェンシングの世界選手権大会を観戦しに行こうかと・・・」
 「そうか・・・奇遇だな・・・私も丁度、あの異国の西洋剣術に興味があってな・・・」
 「さ・・・然様でございますか・・・」
 「お前が作ってくれた服・・・周囲の者たちには実に・・・実に好評だった・・・特に小山内梢子には特別に絶賛されてなぁ・・・私の事を、こう褒めてくれたよ・・・」

 主は指をバキボキ鳴らしながら、物凄い笑顔でノゾミに告げた。

 「・・・この・・・ど変態が・・・だ、そうだ・・・!!」
 「・・・ああああああああああああ(泣)!!」


 『目的地のパリに到着するまでには、大体10時間くらいかかります。それまで機外には出られませんので、どうぞごゆるりと空の旅をお楽しみ下さいませ~。』