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注意点。

  • 【緊急】このテキストは、パワーアンプのヘッドルームについて考慮することなく記述しています。近々このあたりについての記述を含める形で、全面的に書き直します(2008/05/06追記分)……の点については、とりあえず追記訂正で対応しました。(2008/05/06再追記分)
  • 「相沢かえで」自身はMackieのミキサーしか使ったことがないため、各ツマミやスライダに「U」のマークが入ったものしか使ったことがありません。そうではないミキサーを調整する方法についてはまったく心得ていませんので、その点にはご注意ください。
  • このテキストは、少なくとも「Mackie/1402VLZ3」のマニュアルと、「dbx/DriverackPA」のマニュアル、それから初心者向けPAマニュアル本4冊から影響を受けています。

この文書はなぜあるのか。

  • 一言で言えば【マニュアルに書かれたブロックダイアログを理解できない方が、なぜかミキサーに手を出し始めたから】でしょうか……。
  • 「どこにでもありそう」で、「マニュアルにもしっかり書いてあること」なのに「ろくにマニュアルを読まずに使ってがっかりしている人がいる」ということが、ままありそうだ……という理由で作っています。私自身もイタい目にあってきているので、その反省をもとに書いていたり。
  • 普通のマニュアルでは「理屈と調整方法をごちゃ混ぜにして書くことを嫌う」傾向があるため、ここでは逆を行って「理屈と調整方法をあえてごちゃ混ぜにして書く」方法をとっています。まれに「こういう風に書くほうが判りやすい」と思われる方がいらっしゃるかもしれない……と、そういう方にとってだけ、この文書は存在価値があるのかもしれません。
  • 「後続する録音機器に最適な信号を送るためのミキサー設定」ではなくて、「後続するパワーアンプに最適な信号を送るためのミキサー設定&パワーアンプ設定」というのを目指してみた……つもりです。


事前に用意して欲しいもの&こと。

  • パワーアンプの入力減衰ボリウムを反時計回りに絞りきってから、パワーアンプの電源をOffにしてください。そのあとで、アンプとスピーカーにつながっているスピーカーケーブルを、いったんはずしてください。
    • アンプ側をはずすのが困難な場合には、スピーカ側からはずした線の先端がショートしないように、スピーカ1本につき2本出ている線の先端同士が絶対に触れ合わないように&他の金属物経由で触れ合わないように、別々にポリエチレン袋などで保護しておいてください。途中でこのケーブルには数十ボルトの電圧がかかるため、触ると感電する恐れがありますし、袋が薄ければ火花が散って通電してしまう可能性もあります……できればパワーアンプ側からもスピーカーケーブルをはずすことをお勧めします。
  • Windows用のフリーウェアであるWavegene(または相当品)を用いて、「1000Hz/0dB/3分間のサイン波」(1000Hz~4000Hzあたりの周波数であれば、別の値でもかまいません)のファイルを作成し、これを音楽CD(CD-DA)が作成可能なシステムによってCD-Rへと書き込むことで、音楽CDフォーマットの「クリップ確認用CD」を作成しておいてください。
    • この手のCDを作ってゲインを設定すると、簡単かつ厳密に「絶対にクリップしない感度」に設定できます。
    • チャンネルデバイダと複数のアンプを組み合わせた「マルチアンプ」環境を構築している場合、「1000Hz/0dB/3分間のサイン波」単独ではまったく不足であり、チャンネルデバイダで分割している領域の中腹である周波数の信号をそれぞれに収めたCDが必要となる点に注意してください。
    • 同様にして「1000Hz/-3dBのサイン波」を用いて調整を行うと「大きな音が来ると3dBだけクリップする」などという設定もできます……が、Mackieミキサーを使う上では不要な考え方と思われます。
    • そういったものを作成する環境がない方は、主に「J-POPS」などの、コンプレッサで音をつぶしまくったような違和感を感じる(平均録音レベルが高く、音の抑揚がない)音楽CDを用意しても、おおむね設定可能です(が、これは同時に、よい音楽を聴く機会が奪われているわけで、嘆くべき事態であるともいえます……)。音楽CDを使う方法では厳密に設定できるわけではないため、それこそ「パソコンに詳しい友達に作ってもらう」などの技を繰り出してでも、「1000Hz/0dB/3分間のサイン波」が入ったCDを用意するほうが、あとあとひずみなどの問題で苦労したりせずに済むかもしれません。
  • ミキサーへと接続しようとする機器ごとに、接続用のケーブルが必要となります。
    • マイクロフォン&ダイレクトインジェクションボックス(DI)をミキサーへと接続する場合を除いた(おそらくあなたが接続しようとする)すべての機器は、ミキサー側の接続端子が「TRS(ヘッドフォン用の大きいほうのプラグと同じ形状のもの)」となっているケーブルを使ってください。
      • ミキサーへと接続する側の「TRSオスプラグ」は、ヘッドフォン用プラグのように左右チャンネルを1本のTRSでまかなうわけではなく、片方のチャンネルを1本のTRSで占有します……したがって、左右チャンネルをミキサーに導入する場合は、TRSが付いたケーブルが2本必要になります。家電量販店で売っているような「RCAピンプラグ2本をまとめて、TRS1本にする」ようなケーブルは、今回の用途では使えませんので、その点にはご注意を。ケーブルを買う場合は「音響機器を扱う楽器店」がお勧めかもしれません。
    • あなたが半田付け作業を得意としていて、インターネットを使って普通に情報収集できるならば、迷うことなく「自分で電線と部品を手配して、自分で必要なケーブルを作る」ことをお勧めします。その「行動」は、オカルトちっくなオーディオ業界の迷信からあなたを守るという「結果」を、おそらくは確実にもたらしてくれるでしょう……なんてええかっこしいなことを書くまでもなく、配線とコネクタ類の予備を持っておけば「必要になった時に必要な長さと仕様のケーブルをサクッと作れる」ので、これに慣れてしまうと「わざわざ完成品を手配することが面倒になってくる」かもしれません。
      • 配線材としては少し加工が面倒な「MOGAMI2534マイクケーブル」を、コネクタ類にも少し半田付けが面倒な「NEUTRIKコネクタ類」を採用して加工慣れしておけば、半田付けの腕が鈍る事を防ぐことができます。また仕上がりが綺麗で使いやすく、それぞれに定評がある材料なので、実際に使う上でもそう不満なく使えるはずです。
        • NEUTRIK製のXLRコネクタ類を発注するときには、古いタイプの「X」シリーズではなく、新しいタイプの「XX」シリーズを発注してください。作りやすさ・使いやすさ・引き抜き保護対策・カラーブッシング適応性などに差があるため、新たに買うなら新しいタイプで統一しておくほうが使いやすいです。
        • 半田ごてについては、電子工作用(プリント基板配線用)の30Wタイプでは、熱容量が不足し苦労する可能性が高いです。電気工作用(金属部品半田付け用)の50~60Wタイプを別途用意してみることをお勧めします。


基本的な設定方法の考え方。

  • ミキサーの入力ポイントから入力された音声は、ミキサー内の【入力減衰つまみ】→入力増幅アンプ→【チャネル減衰スライダ】→チャネル増幅アンプ→【メインミックス減衰スライダ】→平衡出力増幅アンプ、という経路を通ってメインアウト出力からパワーアンプへと送り出されます。また、パワーアンプの入力ポイントから入力された音声も、同じようにパワーアンプ内の【入力減衰ツマミ】→パワー増幅アンプ、という経路を通ってスピーカ出力端子からスピーカへと送り出されます。
  • ミキサー・パワーアンプ共に、それぞれの減衰機構では減衰が行われ、それぞれの増幅アンプでは増幅が行われます。すべての「減衰」量は【手動で調整】できますが、すべての「増幅」率はそれぞれのアンプごとに【固定】となっています。そのため、経路内にあるすべてのアンプについて、次の問題が起こりうることに注意してください。
    • アンプの処理限界を超える大きな音をアンプに導入してしまうと、大きな音が来たそのポイントだけ歪んでしまいます。ひずんだ音声は後から小さくしても歪んだまま小さくなるだけであり、元の歪んでいない音へと戻すことはできません。
      • 紙に書かれた文字などをコピーするための「コピー機」で拡大コピーをするときに、機械に入っている用紙のサイズを無視して拡大コピーすると、コピー機から出てくる紙には「元となる原稿の一部だけがコピーされて」出てきます……コピーしてはみ出てしまった部分は、はみ出してコピーされたものを再度縮小コピーしても、もちろん復元などされません。音楽用のアンプでは、拡大コピーで身切れてしまった音の大きな部分が「直線」になってしまい、結果として「ひずみ」として体感できることになります。
    • 音量が小さすぎれば、アンプがもともと持っているノイズに埋もれてしまいます。ノイズに埋もれてしまった音声を大きくしなおすと、そこで含まれたノイズも大きくなってしまいます。
      • 紙に書かれた文字などをコピーするための「コピー機」で縮小コピーをすると、コピー機から出てくる紙には「元となる原稿が縮小されて」出てきます……コピー機の性能が良ければ、ある程度縮小コピーしたものを再度拡大コピーすればだいたいは戻るかもしれません……が、微細なところ(たとえば小さな文字や、細かなトーン模様など)はつぶれてしまうかもしれませんし、ほんのわずかな原稿台のゴミや汚れまで拡大コピーされてしまうでしょう。音楽用のアンプにももともと小さなノイズがあるため、縮小コピーで小さくなった音には「相対的に大きなノイズとして音楽に被ってしまう」ため、結果として「ノイズ感」として体感できることになります。
  • このため、ミキサーに音を導入した場合は、「ひずませないように小さめに、かつノイズに埋もれない範囲でおおきく」減衰量を決めてやることで、始めてミキサーとパワーアンプの力が最大限に発揮されます。
  • Mackieミキサーのように、設定方法をシンプルかつ丁寧に説明しているマニュアルがあるものについては、マニュアルどおりに設定するとよいかもしれません。
    • ここでは、「あなたが(DSD方式を除く)デジタル音響機器しか使わないために、想定しない大きな信号を取り扱うことは無い」ことを前提に、単純化した方法を記述します。
      • DSD方式で記録されたデジタルソースに対してこの調整方法を使うと、+6dBほど余裕が不足します。DSD/CD-DAに両対応する機器は、DSDとCD-DAの両方を同じ音量で送出しようと調整してきますので、この場合は該当機器で「クリップ確認用CD」を再生して感度合わせを行えば、まず問題はおきないはずです。


はじめの共通設定事項。

  • もしもMackieのミキサーをお使いの場合には、背面にある「XLR出力端子」の近くにある「XLR MAIN OUTPUT LEVEL」スイッチが【押し込まれていない状態(+4)】になるように設定してください。
  • もしもミキサーとパワーアンプの間にdbx/DriverackPAなどの機器を接続している場合には、機器の設定のうち、音量に関係するもの(イコライザ・コンプレッサ・リミッタなど)をフラットの設定に戻すことをお勧めします。調整のためにイコライザなどをフラットに戻した場合は、ここに書かれたすべての調整が終わった時点で、元に戻してください。チャンネルデバイダとして使用している機器がある場合には、それらははずさないでください(調整終了後の音出しで機器が壊れては、しゃれになりませんので……)。
  • ミキサーについている「XLR入力」に音声を導入してしまうと、たいてい「マイクアンプ」というものを余分に通ってから、ミキサー本来のアンプへと音声が送られるようになっています。家庭用の音響機器を接続する場合にはマイクアンプを通してもメリットがないので、CDプレーヤなどの一般的な音響機器を使う場合には、ミキサーの「TRS入力」へと接続してください。
  • Auxアウトのつまみがあれば、すべて下(または反時計回り)に絞りきってください。
  • VCAのつまみがあれば、すべて上(または時計回り)に絞りきってください。VCAをOffにできる場合は、VCAをOffにしてください。
  • 音質調整用の「Treble」「Mid」「Bass」などのつまみは、すべて中点(または「0」もしくは「U」の表示位置)にしてください。
  • 入力する音声に応じて、Panつまみを合わせてください。
    • モノラルチャンネルストリップに「左(L)チャネル」の音声を導入した場合には、そのチャネルのPanつまみは「左(L)」側に回しきってください。
    • モノラルチャンネルストリップに「右(R)チャネル」の音声を導入した場合には、そのチャネルのPanつまみは「左(R)」側に回しきってください。
    • ステレオチャンネルストリップに「左右チャネル」の音声を正しく導入した場合には、そのチャネルのPanつまみは「中央」にあわせてください。


ミキサーのチャネルストリップ一番下についているスライダ(またはツマミ)の調整項目。


スライダ中腹付近(一番端ではない場所)に「0」もしくは「U」の表示が無い場合の調整項目。

  • メインミックスボリウムを最大(一番上、または時計回し方向に回しきる)の位置にあわせます。
  • すべてのチャンネルボリウムを最大(一番上、または時計回し方向に回しきる)の位置にあわせます。

スライダ中腹付近(一番端ではない場所)に「0」もしくは「U」の表示がある場合の調整項目。

  • メインミックスボリウムを「0」もしくは「U」の表示位置にあわせます。
  • すべてのチャンネルボリウムを「0」もしくは「U」の表示位置にあわせます。


ミキサーの入力ゲイン以外を調整した後の調整項目。


入力ゲイン調整機構が「つまみ調整式」となっている場合の調整方法。

  • 入力ゲインつまみを反時計回りに回しきり、ソース機器で「クリップ確認用CD」を再生します。レベルメーターLEDを見ながら、レベルメーターLEDの上から3番目にある+7dBuランプが確実に点灯し、かつ上から2番目にある+10dBuランプが【絶対に】点灯しない範囲に入力ゲイン調整つまみを調整してください(厳密にあわせる場合には、+10dBuランプが点灯する直前まで大きくするのではなく、+7dBuランプがようやく確実に点灯したというポイントにあわせてください)。普通の音楽CDを使う場合には厳密な調整が出来ないので、+10dBuランプが一切点灯しない状態であればOKです。
    • 後続する「パワーアンプの調整」では、「つまみ調整式」で調整したチャンネルを必ず使います……ので、すくなくとも1台のソース機器は「つまみ調整式」で調整するチャンネルに接続し、入力ゲインの設定を行ってください。
    • Sony/Playstation3を再生機器として使っている場合は、Sony/Playstation3側の再生音量を「標準」にして接続してください。ミキサーのゲイン設定ツマミは「ぴったり9時の方向」にするだけで、ゲインはきちんと合うはずです……が、「クリップ確認用CD」を再生しながら確認する場合は、反時計回りに回しきってから、少しずつ時計回りに回していき、レベルメーターLEDの「7dBu」ランプが常時点灯となったちょうどのところにあわせれば、より正確に(ミキサーのレベルメーターが持つ誤差のみで)感度を合わせることができます。


入力ゲイン調整機構が「スイッチ切り替え式(+4dBu/-10dBV=-7.786dBu)」であり、ソース側機器の出力端子がRCAピンであり、これをミキサーのTRSに導入した場合の調整方法。

  • ミキサーの入力ゲインスイッチは「-10dBV=-7.786dBu機器入力」にあわせてください。この状態で、レベルメーターLEDの上から2番目にある+10dBuランプがまったく点灯せず、かつレベルメーターLEDの「0dBu」位置がほぼ常時点灯する場合は、そのままでかまいません。
    • Sony/Playstation3を再生機器として使っている場合は、Sony/Playstation3側の再生音量を「標準」にしておけば、ミキサーの設定を「-10dBV=-7.786dBu機器入力」にするだけで、ゲインはおおむね合うはずです……が、「クリップ確認用CD」を使って確認すると、3dBuほど音量が大きい(10dBuランプが点いてしまう)ことが確認できると思います。気になる方は、Sony/Playstation3側の再生音量を「-1」にして使うか、(より細かく調整できる)入力ゲインツマミを持つチャンネルストリップへと接続してください。
  • この状態で、レベルメーターLEDの上から2番目にある+10dBuランプが点灯する場合は、ソース機器側に音量調節機構があるかどうかを確認し、ある場合にはそれをさげてみてください。それでもダメならソース機器側の音量調節機構を元に戻してから、入力ゲインスイッチを「+4dBu機器入力」にあわせてください。


入力ゲイン調整機構が「スイッチ切り替え式(+4dBu/-10dBV=-7.786dBu)」であり、ソース側機器の出力端子がTRSまたはXLRであり、これをミキサーのTRSに導入した場合は

  • ミキサーの入力ゲインスイッチは「+4dBu機器入力」にあわせてください。この状態で、レベルメーターLEDの上から2番目にある+10dBuランプがまったく点灯せず、かつレベルメーターLEDの「0dBu」位置がほぼ常時点灯する場合は、そのままでかまいません。
    • 「+4dBu」基準で送出する再生機器として使っている場合は、該当機器の再生音量を「ユニティ(ユニティ表示がない場合は時計回りに回しきる)」にしておけば、ミキサーの設定を「+4dBu機器入力」にするだけで、ゲインはきちんと合うはずです。
  • この状態で、レベルメーターLEDの「0dBu」位置とそこから上がまったく点灯しない場合は、ソース機器側に音量調節機構があるかどうかを確認し、ある場合にはそれをあげてみてください。それでもダメならソース機器側の音量調節機構を元に戻してから、入力ゲインスイッチを「-10dBV=-7.786dBu機器入力」にあわせてください。
  • この状態で、レベルメーターLEDの上から2番目にある+10dBuランプが点灯する場合は、ソース機器側に音量調節機構があるかどうかを確認し、ある場合にはそれをさげてみてください。それでもダメならソース機器側の音量調節機構を元に戻してから、「+4dBu機器入力」にもどしてください。


後続するパワーアンプの設定。


ミキサのスライダ中腹付近(一番端ではない場所)に「0」もしくは「U」の表示が無い場合の調整項目。

  • ミキサーのメインミックスボリウムを最大(一番上、または時計回し方向に回しきる)の位置にあわせます。
  • ミキサーのチャンネルボリウムをすべて最大(一番上、または時計回し方向に回しきる)の位置にあわせます。
  • パワーアンプの入力ゲインつまみが反時計回りに絞りきられていること&先ほどはずしたスピーカケーブルがはずしたままになっていることを確認してから、パワーアンプの電源を入れます。スピーカケーブルがつながっている状態では絶対にパワーアンプの電源をOnにしないでください。
    • ミキサー側については【入力ゲイン調整機構が「つまみ調整式」となっているチャンネル】につながっているソース機器を使って「クリップ確認用CD」を再生してください。
      • 「スイッチ切り替え式(+4dBu/-10dBV=-7.786dBu)」となっているチャンネルでは厳密に減衰量を規制することができないので、パワーアンプの調整時には使わないでください(普段使う限りはこういうチャンネルを使っても問題ありません。これは調整時に限った話です)。
  • ソース機器で「クリップ確認用CD」を再生しながら(スピーカーケーブルがはずされていれば、当然音は出ません)、パワーアンプの入力ゲインつまみを少しずつ時計回りに回していきます。パワーアンプの「クリップ(またはIOC)」ランプが点灯したらいったん手を止めて、クリップ(またはIOC)ランプが消灯するまでパワーアンプの入力ゲインツマミを反時計回りに戻します。
  • パワーアンプの「クリップしないポイント」が判明したら、パワーアンプのつまみ位置を再現できるように、つまみについている目印が指すポイントに、油性ペンなどを用いて印をつけておくことをお勧めします。
    • たいていのパワーアンプについている入力減衰ボリウムは、あたりまえのように「絞りすぎると音質が劣化したり、左右バランスが崩れたりする」代物ですので、基本的にはそのままお使いいただくほうがよいかと思われます。
  • ミキサーにユニティ設定がない場合は、こういう風にしかあわせようがないと思います……。
    • ちなみに、この方法では「ミキサーとパワーアンプが直結されているとき」にのみ、パワーアンプがクリップしないことを保証してくれます。dbx/DriverackPAなどの機器をミキサーとパワーアンプの間に挿入すると、そういった挿入機器が特定帯域のゲインを引き上げてクリップを引き起こしてしまう可能性があります。これら挿入機器に対する余裕を確保することは(ユニティゲイン設定を行うことができないミキサーでは)困難なので、パワーアンプのクリップには十分に注意する必要があります。


ミキサのスライダ中腹付近(一番端ではない場所)に「0」もしくは「U」の表示がある場合の調整項目。

  • ミキサーのメインミックスボリウムを「+10dBu」の表示位置にあわせます(「0」もしくは「U」ではないことに注意してください)。
  • ミキサーのチャンネルボリウムをすべて「+10dBu」の表示位置にあわせます(「0」もしくは「U」ではないことに注意してください)。
    • 「メインミックス」と「チャンネルストリップ」のそれぞれを「+10dBu」に合わせ、かつ先の入力ゲイン調整で合わせた「+7dBu」をあわせることで、全体では「+27dBu」(ユニティ設定時の「+7dBu」よりも20dBステップアップした)大きな音をパワーアンプへと送出します。この設定で以下のとおりにクリップポイントをあわせてから、ミキサのスライダを「±0」もしくは「U」へと戻してやることにより、パワーアンプ側に擬似的な「(クリップポイントより20dB下の)定格出力」を設定します。この値はパワーアンプ自体が本来持っている定格出力とはまったく関係のない値となりますが、「大きな音が欲しくてミキサーのスライダを突き上げてしまった場合でも、ひずみなく音楽を再生する」ためには、こうして設定してあげることが効果的です。この場合、ミキサー側に+20dBuまでのレベルメーターが装備されている場合、レベルメーターの+20dBuランプは「パワーアンプがクリップポイント直前であること(ミキサーもクリップ直前であるか、機種によってはすでにクリップしている)」を指し示すため、少しゲイン的にはもったいない使い方になります……が、音量的にそこまで必要となることはまれではないかと思われます。
  • パワーアンプの入力ゲインつまみが反時計回りに絞りきられていること&先ほどはずしたスピーカケーブルがはずしたままになっていることを確認してから、パワーアンプの電源を入れます。スピーカケーブルがつながっている状態では絶対にパワーアンプの電源をOnにしないでください。
    • ミキサー側については【入力ゲイン調整機構が「つまみ調整式」となっているチャンネル】につながっているソース機器を使って「クリップ確認用CD」を再生してください。
      • 「スイッチ切り替え式(+4dBu/-10dBV=-7.786dBu)」となっているチャンネルでは厳密に減衰量を規制することができないので、パワーアンプの調整時には使わないでください(普段使う限りはこういうチャンネルを使っても問題ありません。これは調整時に限った話です)。
  • ソース機器で「クリップ確認用CD」を再生しながら(スピーカーケーブルがはずされていれば、当然音は出ません)、パワーアンプの入力ゲインつまみを少しずつ時計回りに回していきます。パワーアンプの「クリップ(またはIOC)」ランプが点灯したらいったん手を止めて、クリップ(またはIOC)ランプが消灯するまでパワーアンプの入力ゲインツマミを反時計回りに戻します。
    • この設定では「パワーアンプを絶対にクリップさせないこと」を優先しています。「ミキサーのクリップポイントとパワーアンプのクリップポイントをぴたりと合わせる」ことはできない(パワーアンプの入力減衰ツマミを1クリック時計回りに回すと、今度はパワーアンプが先にクリップする)ので、ミキサー側からパワーアンプがクリップしないことを保証するには、こうして「(レベルメーターがついている)ミキサーがほんの少し先にクリップ」するように設定するほうがやりやすいと思います。
    • Crown/D-45またはAmcron/D-45をお使いで、Mackieのミキサーにある「入力ゲイン調整機構が「つまみ調整式」となっているチャンネル」につながれたソース機器を使って、ここまでに記述してきた調整を行った場合、D-45のIOCランプが点く直前のポイントは「反時計回りに回しきったところから11クリック目(「40」の表示から1クリック時計回し)」あたりの位置になるはずです。
  • パワーアンプについて「+27dBuの信号を突っ込んでもクリップしないポイント」が判明したら、パワーアンプのつまみ位置を再現できるように、つまみについている目印が指すポイントに、油性ペンなどを用いて印をつけておくことをお勧めします。この位置は「あと20dBuの余裕がある位置(ミキサーのスライダをプラス方向に振った場合の余裕分を含んでいる)」を指し示すことになるので、印の横に「U」もしくは「±0」などの文字を添えておくと、印の意味がわかりやすくなるはずです。
    • たいていのパワーアンプについている入力減衰ボリウムは、あたりまえのように「絞りすぎると音質が劣化したり、左右バランスが崩れたりする」代物ですので、基本的にはそのままお使いいただくほうがよいかと思われます。
  • ミキサーにユニティ設定がある場合には、こういう風に設定しておくほうが自然だと思います。
    • ちなみに、この方法では「ミキサーとパワーアンプが直結されているとき」にのみ、パワーアンプがクリップしないことを保証してくれます。dbx/DriverackPAなどの機器をミキサーとパワーアンプの間に挿入すると、そういった挿入機器が特定帯域のゲインを引き上げてクリップを引き起こしてしまう可能性があります。この調整方法では20dBuの余裕は確保していますので、大きな問題は発生しないと思われますが、挿入機器がある場合にはパワーアンプのクリップに注意する必要があるかもしれません。


普段音楽を聴くときの使い方。

  • 音量を調整する場合には、基本的には「各チャンネルストリップの一番下についているチャンネルスライダ」と、「メインミックススライダ」を用いて調整するのが、直感的に調整しやすくよいと思います。
    • 大まかな音量調整は、「各チャンネルストリップの一番下についているチャンネルスライダ」で調整するといいかもしれません。プロが音量規制をするときに使う技として「特定の位置以上にスライダが動かないように、製図用の弱粘着テープを盤面へと一直線に貼ってしまう」という方法があるようですが、家庭でやるなら「スライダを全部下げて、両端だけを好きな位置に上げて、スライダに定規を引っ掛けて押し当て、他の中間にあるスライダを静かに定規へと突き当てていく」と、綺麗にスライダがそろうはずです。このとき、「メインミックススライダ」をユニティにしていては音量が「かなり大きめ(普段聴く音量よりもある程度大きめ)」になるようにしておくと、いざ音量が欲しくて「メインミックススライダ」をあげていったとしても、「メインミックススライダ」がユニティを超えずにすみます。
    • 最終的な音量調整は「メインミックススライダ」で行うほうが楽でしょう。「各チャンネルストリップの一番下についているチャンネルスライダ」がユニティよりも下にあるのに「メインミックススライダ」がユニティ位置を越えてしまう場合は、「各チャンネルストリップの一番下についているチャンネルスライダ」をもう少しあげておくほうが良いとおもいます(ユニティを超えない限りは歪みませんので)。
  • ミキサー側の入力減衰調整ツマミは「微調整には向かない(特に左右バランスをあわせるのが面倒)」という代物なので、接続している機器が変わらない限りは、そのままにしておくことをお勧めします。
  • パワーアンプ側の入力減衰調整ツマミは「アンプがクリップしないことを保証する位置にあわせている」ので、接続している機器が変わらない限りは、そのままにしておくことをお勧めします。
  • 「間違ってもこんなに大きな音量で聴かないよ!」というぐらいにミキサーのスライダを上げても、まだ「各チャンネルのチャンネルスライダ」と「メインミックススライダ」の両方がユニティに届かない……という場合には、ミキサーの出力からパワーアンプの入力端子までの間に、市販の「アッテネータ」をかませるほうが、調整しやすくなるかもしれません。ミキサーのスライダで大きく絞ると音質劣化が起きやすいので、こういうときには音質劣化しにくいアッテネータの使用が効果的です。購入するべきアッテネータの値は、「どう考えても出さないぐらいの音量を出したときに、チャンネルスライダがユニティから離れている量と、メインミックスがユニティから離れている量を足した値」にすると良いでしょう。例えば、「チャンネルスライダがユニティから-15dBu離れ、メインミックススライダがユニティから-25dBu離れた状態」以上には音を出さないことが判明しているなら、(-25dBu)+(-15dBu)=-40dBuのアッテネータを導入すれば、その大きすぎる音量にしたときに、両方のスライダをユニティにすることが出来ます。ユニティよりも上にスライダが来るのはあまり好ましくないため、アッテネータの値は「少し少なめのものを選ぶ」方がよいでしょう。
    • Mackieミキサーのうち、「VLZシリーズ」と「ONYXシリーズ」については、XLR出力端子付近にある「XLR MAIN OUTPUT LEVEL」というスイッチを押し込むことで、-40dBの内蔵アッテネータが有効となりますので、これも使ってみる価値があると思います。