「Q14」(2006/05/14 (日) 22:56:32) の最新版変更点
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Q.観鈴はなぜ死にかけていた?
A.神奈の転生体である観鈴は、柳也の子孫である往人に見捨てられたことで、柳也との死別に苦しむ神奈の悲哀を強く共有してしまったから。器が壊れかけていたからではない。
夢の中でSUMMERでの出来事を自分自身のこととして体験していた観鈴は、夢を見ていく中で自分と神奈を、往人と柳也を同一視するようになる。社に閉じこめられていた神奈に、足が動かず家に閉じこめられたも同然の自分をなぞらえ、往人に家から連れ出してくれるように頼む。
SEEN301.TXT
【観鈴】「あのね、今朝の夢…」
【観鈴】「わたし、ひとりぼっちで、閉じ込められてた」
【観鈴】「淋しかった」
【観鈴】「誰かが連れ出してくれるのを、ずっと待ってた…」
俺を真っ直ぐに見ていた。
【観鈴】「わたし…」
【観鈴】「わたしね…」
【観鈴】「一緒にいきたい」
【観鈴】「往人さんと一緒にいきたい」
【観鈴】「ついていったら、ダメかな」
【往人】「………」
神奈の感情をそのまま、観鈴が共有しているのがわかる。だがこの願いは往人によって拒絶され、観鈴は絶望する。
観鈴は柳也との死別する神奈の悪夢そのままに、別離による激しい孤独と悲哀の感情を完全に共有してしまう中で体力を消耗してしまったのだろう。
SEEN291.TXT
【観鈴】「どうして…みんな…」
【観鈴】「わたしだけ…残して…」
喉から振り絞るような声。
感情を抑えることができないのだ。
【観鈴】「はぅっ…」
息を吸う間もないほどに、観鈴は泣きじゃくる。
こんなことが続いたら、無事でいられるはずがない。
Q.観鈴はなぜ死にかけていた?
A.観鈴はSUMMERでの出来事を夢として体験するうちに、自分を神奈と、往人を柳也を同一視するようになっていた。
そのような状況で、柳也の子孫である往人に見捨てられ、柳也との死別に苦しむ神奈の悲哀を強く共有してしまった。
また、父親代わりとして深く依存していた往人を呪いによって殺しかけてしまったことで自分の存在意義に疑問を抱く(往人を殺しかけたことは柳也が死ぬ悪夢をなぞることでもある)。
しかも、頑張ろうと決めていた二人で交わしたゴールの約束は裏切られた。
このように観鈴は、敬愛する家族を殺しかけ、頼る相手を失い、目指すべき目標もまた同時に失った。生きる意思を失い神奈の苦しみを受け止めるだけの精神力がなくなってしまったことが原因であって、器が壊れかけていたから死にかけたのではない。
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観鈴は、夢の中でSUMMERでの出来事を自分自身のこととして、主観視点で体験していた。
SEEN271.TXT
>【観鈴】「すぐ近くに、誰かが寄り添ってくれてた」
>【観鈴】「わたし、その人に『海って何だ?』って訊いた」
そのような夢を見ていく中で観鈴は、次第に神奈と自分を、柳也と子孫の往人を同一視していくようになる(柳也も住居を定めない浮き草のような生き方をしていたようだ)。社に閉じこめられていた神奈に、足が動かず家に閉じこめられたも同然の自分をなぞらえ、神奈と同じように家から自分を連れ出してくれるよう往人に頼む。
SEEN301.TXT
>【観鈴】「あのね、今朝の夢…」
>【観鈴】「わたし、ひとりぼっちで、閉じ込められてた」
>【観鈴】「淋しかった」
>【観鈴】「誰かが連れ出してくれるのを、ずっと待ってた…」
>俺を真っ直ぐに見ていた。
>【観鈴】「わたし…」
>【観鈴】「わたしね…」
>【観鈴】「一緒にいきたい」
>【観鈴】「往人さんと一緒にいきたい」
>【観鈴】「ついていったら、ダメかな」
>【往人】「………」
神奈の感情をそのまま、観鈴が共有しているのがわかる。だがこの願いは往人によって拒絶され、観鈴は絶望する。
二人でゴールを目指すという往人との約束は裏切られ、足が動かないにもかかわらず母親は心配することもなく遊びにでかけ、往人を呪いで殺しかけてしまったことで自分がいかに「迷惑」をかけながら生きているかを再認識してしまう。
>【みすず】「好きなひとができても、そのひといなくなって…」
>【みすず】「わたしは、いろんなひとに迷惑かけて生きてる…」
>【みすず】「もう起きなくてもいいや…」
>【みすず】「もう、これ以上誰にも迷惑かけないようにね…」
自分が何をどう頑張ろうが生きるに値しない迷惑な人間でしかない、とあきらめてしまった。
>【みすず】「結局わたしが、がんばっても、人に迷惑かけるだけで、いいことなんてひとつもなかったんだ」
>【みすず】「わたしもあきらめていたらよかったんだ」
生きる気力を失ってしまった観鈴には、激しい癇癪と孤独の苦悩に耐えられるだけの力はもう残っていなかった。
>すべての気力を失ってしまったような彼女に、その苦しみはあまりにも大きすぎた。
>そして、彼女はそれを待っていたのだ。
>生きる意志を失ってしまった彼女は、それを甘受し、眠りにつくことを願っていた。
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