北国人+帝國軍歩兵+はぐれメード+魔術師に仕える者


「だが、なにもしないよりはいい」
「ならばこの時より、私は貴方の剣となりましょう」
               ある魔術師の発言とメードの会話 12707002


キノウツン藩国。
アイドレスプレイヤーに「メードで真っ先に思い浮かぶのは?」と聞けば、全員が「キノウツン藩国」と答えるだろうと思われるほどのメイド(喫茶)大国である(補足:キノウツン国のはメイドであってメードとは違ったりする)。
藩国中にあるメイド喫茶は、ある説では「国民の数だけメイド喫茶が存在する」というほど多い。
しかもメイド養成施設(通称メイド学校)なるものまで存在する。
そんなキノウツン国から1人のはぐれメードが旅立とうとしていた。
旅の目的は「仕えるべき主を探しつつさらなるメードの高みに到達する為」。
キノウツン国にいたのもその為である。そしてまた旅に。

この人物、元は歩兵である。軍服を着用して歩兵銃をその手に持って戦場を駆けていた。
その後戦闘という破壊がイヤになり、平和の象徴である人々の生活の役に立てるバトルメードになった。そしてさらにレベルアップしていまやはぐれメードにまでなっている人物である。
ちなみにはぐれメードという職業。どこの国でもそこの国民として活動できるという特殊技能がある。そのため藩国では、より活動しやすいように各国の言語(方言)を習得させていたりもする。

そのおかげもあり、これまで多くの国を旅してきた。時には帝國、時には共和国と。
同時にそれだけ多くの人と出会った。気のいい人、優しい人、卑怯な人、ひどい人。
そんな中、1人の魔術師と出会った。
その人は不思議な人だった。意味があるとは思えないことを繰り返しやっていたりするのだ。
その意味が知りたかったのか、魔術師自体に興味が湧いたのか分からなかったが、その魔術師のところでメードの仕事をすることにした。

なにをしているのですか?、とある日尋ねてみた。すると、これは魔術だよ、と魔術師は答え、
「魔術とは手段と目的の逆転なんだ。歌を歌う者が、上手く歌えれば見知らぬ誰かがきっと幸せになれると思って努力する。理屈じゃない、願いあっての努力。願いを技に、技を力に、力をリアルに。力もて現実を変えようとする。それが魔術、そして魔術師だよ」
そして最後に、自分のやっていることにはまったく意味はないだろう。だけどなにもしないよりはいい。と言った。

「なにもしないよりはいい、かぁ……」
何故か置いてくることが出来なかった歩兵時代の軍服と歩兵銃、そしてメードの箒型銃の手入れをしながら自分でも気付かずに呟いていた。
なにもしないよりはいい。そう、確か自分も昔そう思って歩兵になったのではなかったか……。
自分には何ができるのだろうか。そんな事をふと思った。

突然魔術師がレムーリアに行くと言い出した。
当然ついていこうとするが、大丈夫、と言われて置いていかれた。
確かに歩兵銃や箒型銃などの武器はレムーリアでは稼動しない。
でも……。
”なにもしないよりはいい”
そうして追いかけていった。

「ハァ、ハァ、ハァ……」
魔術師は敵に襲われていた。
本来詠唱戦とは反撃を受けない距離でやるか、あるいは護りがあって行うものである。だが今回、距離は近く、護りもいなかった。
どうにか敵の攻撃をかわしているが、それもいつまで出来るかわからない。ただそう遠くない時に終わりが来るのは確かだ。
呼吸は乱れ、骨は軋み、筋は断ち切れ、心臓は早鐘を打つ。
そしてとうとう体が限界を迎えた。
敵が悠然と近づいてくる。
死が目前にある。それでも魔術師の瞳は曇らない。ただまっすぐに、前を向いている。
殺意を持ってとどめをさそうとする。1秒もかからずにすべては終わるだろう。その時、
「はあああーー!!」
裂帛の声を伴って甲冑を身にまとい、剣を手にした人物が敵を吹き飛ばした。
それは歩兵でもメードでもなく、騎士の装備のはぐれメードだった。
「そんな格好までしてどうして……」
「貴方と同じです。貴方は何のためにここに来たのですか?」
それはわかりきっている事。それでもはぐれメードは続ける。
「誰かのためにではないのですか?例えそれが意味がない事だったとしても。それでも……」
そのあとの言葉を受け継ぐように魔術師が言う。
「だが、なにもしないよりはいい」
「ならばこの時より、私は貴方の剣となりましょう」
満足した顔で、誇らしげにはぐれメードはそう返した。
そうして反撃が始まった。

レムーリアから戻ると、そのままある部屋に連れて行かれた。
その部屋は薄暗いのだが空気が澄んでいるのか神聖な感じがした。
既に控えていたメードから魔術師は剣を受け取るとそれを抜き、今や騎士の格好であるはぐれメードの前に立った。
「汝、我を主とし如何なる時も仕えることを誓うか」
「誓いは此処に、我が身我が命は主と共に」
「ならばこれより我が命運は汝の剣と共に」




こうして魔術師に仕える者は誕生した。


(イラスト:関朝戸(科戸) 設定文:花井柾之(え~))


おまけ
(ネタ要素が強いのでオマケと言うことでやりたい事をしよう(というか、これが書きたいがために担当になった)という設定文担当者の趣味)



データ

L:北国人 = {
 t:名称 = 北国人(人)
 t:要点 = 暖かい服装,白い肌で美しい人材,白い髪
 t:周辺環境 = 針葉樹林,木もないような雪原,豊かな小麦畑,豪雪対策された家,高い山
 t:評価 = 体格1,筋力0,耐久力-1,外見1,敏捷0,器用0,感覚0,知識1,幸運0
 t:特殊 = {
  *北国人の人カテゴリ = 基本人アイドレスとして扱う。
  *北国人は一人につきターン開始時に食料1万tが増加する代わりに生物資源1万tを消費する。
  *北国人は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。

 t:→次のアイドレス = 犬妖精(職業),魔法使い(職業),歩兵(職業),パイロット(職業),整備士(職業),国歌(絶技),アイドレス工場(施設),寮(施設),食糧生産地(施設),バトルメード(職業),高位北国人(人)

L:帝國軍歩兵 = {
 t:名称 = 帝國軍歩兵(職業)
 t:要点 = 歩兵銃,軍服
 t:周辺環境 = なし
 t:評価 = 体格4,筋力4,耐久力5,外見4,敏捷5,器用5,感覚4,知識5,幸運3
 t:特殊 = {
  *帝國軍歩兵の職業カテゴリ = 基本職業アイドレスとして扱う。
  *帝國軍歩兵は歩兵時、近距離、遠距離戦闘行為ができ、攻撃判定は評価+2される。燃料1万tを必ず消費する。
  *帝國軍歩兵は歩兵時、中距離戦闘行為ができ、この時、攻撃判定は評価+3される。補正を選択した時は燃料1万tを必ず消費する。
 }
 t:→次のアイドレス = 帝國戦車兵(職業),帝國偵察兵(職業),帝國工兵(職業),帝國砲兵(職業)

 ※歩兵のプロモート
 帝國軍歩兵>http://toyo.michikusa.jp/wan2_hhi/top.html
 プロモーション参加根拠:http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=3900
L:はぐれメード = {
 t:名称 = はぐれメード(職業)
 t:要点 = メード服,箒型銃
 t:周辺環境 = キノウツン
 t:評価 = 体格0,筋力0,耐久力0,外見2,敏捷2,器用1,感覚1,知識1,幸運-1
 t:特殊 = {
  *はぐれメードの職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *はぐれメードはI=Dのパイロットになることができる。
  *はぐれメードは援軍行為ができ、自らの意思でどこの藩民としても活動できる。
  *はぐれメードは自らが仕えるACEを一人指名でき、それに仕える限り全ての判定は評価+1される。
 }
 t:→次のアイドレス = 魔術師に仕える者(職業),奥さん(職業),ネル&シーナ(ACE),野生化メード(職業)

L:魔術師に仕える者 = {
 t:名称 = 魔術師に仕える者(職業)
 t:要点 = 騎士(騎士に見えないでもよいが、魔術師、理力使いに見えてはいけない)
 t:周辺環境 = 魔術師
 t:評価 = 体格3,筋力3,耐久力3,外見-1,敏捷3,器用0,感覚1,知識-1,幸運0
 t:特殊 = {
  *魔術師に仕える者の職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *魔術師に仕える者は魔術師に仕えなければこれ以外の全ての特殊を使うことが出来ない。
  *魔術師に仕える者は人獣になることが出来、体格、筋力、耐久力を使う判定では評価+5を受ける。食料を1万t消費する。
  *魔術師に仕える者は不死であり、新月になると自己再生する。
  *魔術師に仕える者は魔術師を守る場合、ダメージを全て代わりに受けられる。
 }]
 t:→次のアイドレス = 光砲使い(職業),不死人(職業),不死の王月子(ACE),リリカルソード(マジックアイテム)
体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
北国人 1 0 -1 1 0 0 0 1 0
帝國軍歩兵 4 4 5 4 5 5 4 5 3
はぐれメード 0 0 0 2 2 1 1 1 -1
魔術師に仕える者 3 3 3 -1 3 0 1 -1 0
合計 8 7 7 6 10 6 6 6 2


継承

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最終更新:2009年12月16日 01:45
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