地下秘密基地


継承元



要点:
★地下秘密基地(※1)
周辺環境:
  • 地上は公園(※2)

L:地下秘密基地 = {
 t:名称 = 地下秘密基地(施設)
 t:要点 = 地下秘密基地
 t:周辺環境 = 地上は公園
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *地下秘密基地の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。
  *地下秘密基地を通過した全ての人型兵器、戦車、航空機の全性能を評価+1される。この効果は重複しない。
  *地下秘密基地には1ターンに250人機を通過させられる。
 }
 t:→次のアイドレス = *AD(アドバンスド)

>>プロジェクトXX 地下秘密基地建設の軌跡<<



◇オープニング:ある緊急招集の光景
第三層(旧愛鳴藩国時代)の商店街の一角には食の名店「味のれん」がある。
今日も店内は一日の労働を、おいしい料理やうまい酒と肴で癒す人々がいた。
愛鳴之藩国首脳部の面々もそうだった。ひと時の憩いの時間。
しかしそれをあざ笑うかのようにトラブルは突然にやってくる。

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(SVL)

腕時計のバンドに微弱な電流が流れ着用者に注意を促し、文字盤にエマンジェシーコードが表示される。
すっくと席を立つ男女。
「電話ボックスを借りるよ」親父に目配せし店内を横切る。
衝立の向こうに、紅い木枠に曇りガラスの張られた電話ボックスがある。
中に入り受話器を上げエマンジェシーコードを押す。
次の瞬間床が抜けその姿は暗闇に消える。

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(たまき)

落下した先では、非常口とは逆の色使い、白地に赤の人形がドアに駆けろと瞬いている。
緊急移動用シュートだ。
深い穴の円心を貫くポールについたステップに足を掛けグリップを握る。
グリップのボタンを押す。その身が穴に吸い込まれた。
高速で行く先は愛鳴之藩国第2政庁。
地下に設けられた護国の砦だった。
愛鳴之藩国の男女は待ち構える厄介ごとに不適な笑みを見せ、嬉々としてトラブルに飛び込んでいった。


◇なぜひみつきちを作ったの?(※1)
第三層(旧愛鳴藩国時代)の地下には様々なものがある。
地下資源とその鉱山。坑道から発展し、地下をめぐる非常用交通網と避難施設。
高位はてない国人の修練の場となる、現代に似つかわしくない地下迷宮群。
それらは愛鳴之藩国の一部となっており、国是を守るための努力が並大抵ではないことを示していた。
オーマ「赤」との戦闘により、地上世界の安全が危ういものであることが実感された。
地上を覆った核の冬の災禍は、リワマヒ国のヒマワリによって非常に小さなものとなった。しかしいつもこんなにうまくいくはずが無い。
今回のことを教訓として、緊急事態時の国民の避難体制と、国の運営システムをどう機能維持するかが問題となった。

地上がだめなら地下に移るしかない。
藩国首脳部の見解は一致していた。
「チャーンス・・・」
藩国政庁の仕事部屋で、すっとこどっこい摂政九頭竜川はいかにも怪しい目つきをした。
「これこそ遠慮なく秘密基地を作るチャンスじゃないか・・・」

しかし、ただシェルターを作るだけでは旧愛鳴らしくない。
魂のこもらない鉄とコンクリートとプラスチックのカタマリにはしたくなかった。
人の心が見えるものを。
勇気と希望を感じるものを。
洒落と酔狂を忘れないものを。
そしてどこまでも子供たちのため、建国の理念は変わらない。
その言葉のために実質的な軍備を強化する危うさも承知の上で、あくまで建前を本音とすることを選んだ。
かくして「地下秘密基地」はニューワールドの愛と正義を守る人々の砦となることを望まれ、旧愛鳴藩国はてない国人の総力を挙げて建設された。

地下秘密基地はその能力を発揮するとき、その存在は「秘密」ではないものになるだろう。
それでも人々は「藩王の秘密基地」と親しみを込めて呼ぶだろう。
そこで藩王をはじめとする首脳部たちは、名物の新作アイスクリームやホットケーキの研究を行っているとまことしやかにうわさするのだ。
たとえそれだけでないことを知ってはいても。


◇地下秘密基地の構成
基地の機能は国土の各所にその機能は分散して配置され、非常時の避難シェルターとなる居住施設、政治・行政・軍事の中枢機能、軍事施設、発電施設その他に分かれている。
それらは藩国地下に張り巡らされた共同坑(道路、リニアライン、送電線、上下水道、給排気、光ケーブル等が敷設)で交通、通信、ライフラインが結ばれている。
また施設は基本的に市街地直下を避け共同坑が走るのみである。また農業地帯でも地下水の流れが変化することで作物への影響を避けるため、地下施設の設置は極力避けている。


・愛鳴藩国第2政庁
旧藩国政庁の直下、地下深くに設置され、居ながらにして様々な緊急事態の指揮・統制・通信・情報を管制が可能な設備を整えた施設。ここで政治、行政、軍事の指揮が取られる。
また地上の政庁には無い司令室が設けられ、大学の大教室のような正面に傾斜した床を持つ部屋には、巨大な多目的ディスプレイを前に個別の作業卓に着いたスタッフが様々な業務を行う。
緊急時には地上の政庁や、関係者がたむろする味のれんから結ばれた緊急移動用シュートを使用し3分で集合することが可能。
上記施設の運用を司る非ノイマン型超弦振動コンピュータ「あとろ」(政治、行政用)と同型の「くろと」(災害、緊急事態、軍事用)の2台がある。この2台は更に地下深くの最下層で常時稼動する。


・多目的格納庫
災害救助、復興、軍事用ための、I=Dをはじめとする様々な特殊機械(陸海空宙用)が待機し整備されている。
ハンガー(格納庫)は格納する機械にあわせ、各所に分散配置されている。
航空機は空港地下。船舶は港湾部近辺。I=D、陸上機械は訓練場近辺。


・避難用居住区
地上が壊滅したときのため、短期間の避難を目的とした住民用の居住区がある。
特に巨大な地下空間を利用し、生活に必要な諸施設と高ストレス下の避難生活に耐えるため、公園地区や温泉施設等リラクゼーションのための併設されている。
なお普段これらの施設は基地関係者が宿泊施設として利用している。


・地下農場・養殖場
緊急時の自給自足のため、水耕栽培で野菜を育成したり、海水を引き込んで養殖を行ったりしている。
平時には「ひみつきち」ブランドの商品として出荷している。


・藩王の試練場
高位はてない国人へとクラスチェンジする際に訓練場として用いられる。
様々なモンスターやトラップが仕掛けられたダンジョンであり、6人パーティーで最下層に安置される護符「Word of None」を手に入れることを目的とする。
先輩諸氏の心遣いで月に一度全階層の模様替えが行われるため、いつまでたっても新鮮な思いでダンジョンに挑戦が可能となっている。


・汎世界偏在科学研究所、工場、実験場
科学、化学、電気工学、生物工学、汎世界物理学を研究する怪しい施設。
関係者からは畏怖を込めて伏魔殿と呼ばれる。
そもそも自由な研究環境と機密保持のため、各施設の引越しついでに地下に設置された。
地上の学校で高等専門教育を終えた学生や、他国から独創性溢れる研究者を招き、上記ジャンルやそれに当てはまらない多種多様な研究が行われる。
災害救助、復興、軍事活動に用いる様々な特殊装備、機械を開発する研究所兼工場。
発掘レトロライフの研究も実施されている。
また藩王直下の研究施設として「甘味研究室」があり、室長は何を隠そう味のれんの店主通称「おやじさん」だ。ここで藩王の新作アイスクリームや秘伝のホットケーキ、はたまたキラ=カンナ女史の黒豆ココアもここで商品開発されている。
ここには第2政庁に置かれる非ノイマン型超弦振動コンピュータの姉妹機「らけ」が研究開発用として設置されており、ややピーキーな個性を生かし研究を助けている。
なお現在の所長は脚立氏。いつ寝ているか分からないほど居室の明かりは消えることが無い。


・閉鎖生態系研究所、考古学研究所
汎世界偏在科学研究所内に設けられているが、その特異性は地下遺跡に隣接し建物が設けられているところだ。
地下遺跡ははてない国人由来のものではなく、先史文明のものと推測されるが定かではない。
なぜここに2種類の研究機関が同居したかというと、遺跡から発見された不可思議なシステムのためである。

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(たまき)

この遺跡の庭では緑の木々や植物達(現在の地上に無い種)が青々とした水の元で自生していたのだ。
研究者は無明の地下で育つ植物や、遺跡自体の環境を調査すると、それらの植物は遺跡を離れると普通の植物と同様に光が無ければ育つことは無かった。
そこで遺跡の何かが庭の植物達に光と水を供給していたことが分かった。
現在、遺跡のシステムを調査しつつ、地下空間に影響されない植物育成を研究中であり、これは将来長期航行型宇宙船でも必要となる閉鎖生態系完成へのブレイクスルーとして期待されている。
なお、現在の所長はたまき女史であり、藩国運営の傍ら研究所もバリバリと切り盛りしている。


・緑化地区、公園
しかし単に公的な施設ばかりではなく一般に開放される公園があり、地上から高速エレベータで繋がっている。
園内には鍾乳洞の見学路や地球科学の博物館、地上の木々を移植した緑地帯が設けられ、休日になると国内の様々な人々が訪れ、地下探検等でリラクゼーションを楽しむ。
また地下秘密基地の広報館も設けられ、緊急時の避難方法や地下施設の概要と目的、運用状態について開示されている。
一部区画では拡張工事を継続中であり、ゆくゆくは地上と地下を結ぶ「大遊園地」を作る計画となっている。


・地下交通路
共同坑とは別の、主に大型機械を運搬し、走行させるための道路。
大型機械やI=D等の出撃や帰還のため、地上の国内各所と結ばれている。
電気式大型トレーラーが走ることができる車道の他、移動用のリニアパレットのレールも設置されている。
なお、地下では大気汚染を考慮し超電磁モーターによる交通機関が基本となっている。
地上近くではや昇降用エレベータやリニアカタパルト、閘門が設置され、ここから出入りする。
国内(第三層)各所、北から愛鳴山3合目、訓練所、旧政庁付近、工業地帯、あぶみ公苑、空港、港湾部、大灯台、西園寺鉱山、西園寺鉱山近くの元露天掘り跡地、エリカ公園に大型機械用出入口が設置され、陸海空へのアクセスを確保している。
特に趣味的なのはエリカ公園の埋設式カタパルトである。
詳細はエンディングを参照のこと。
すっとこどっこい摂政としては、もっと色んなところからカタパルトで色々な機械を射出したいそうだが、未だ実現していない。


◇エンディング:ある出撃の風景(※2)

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(たまき)

西園寺鉱山近くの元露天掘り跡を利用したエリカ公園。
噴水が虹を作り子供たちが遊具で遊ぶ緑豊かな公園の一角に、怪しげなモニュメントが立つ。
モチーフは並んで肩を組み、力強く手を掲げるはてない国人だといわれている。
無骨な岩塊を削った姿は、その朴訥な表情と共に静かな決意を表しているようだった。
その足元のレリーフには「子供の守り手」(命名荒風ヒオ)とあった。

緊!公園にサイレンが鳴り空気の質が変わる。
公園内の大型プラズマディスプレイにより「緊急発進」と「最寄の避難所表示」が交互に映し出される。
モニュメントを中心に、花壇が舗装路が、青々とした芝生に覆われた斜面が動き始める。
伸!大きく開いた開口部よりリニアレールがまっすぐ延び、左右に割れたモニュメントがそのレールをがっちり固定する。
地下通路内、リニアレール上を滑走するパレットには無骨なラインを持つ人型機械があった。

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(たまき)

「リニアカタパルト定位置に固定終了。パレット最終加速帯まで後15秒」
秘密基地の発着を管制するオペレーターは、壁面のディスプレイと手元の画面を見比べつつパイロットと連絡を取る。
「シールダクス01、幸運を祈る」
「あのー、こいつ基本飛べないんですけど着地時はど~なるんですか?! わ、わたしはっ? 機体はッ!?? Σ(@@)」
「あなたならできるわ・・・後5秒、2、1、0」
パイロットはゲート出口のシグナルが赤から緑に変わったことを確認した。
発進シークエンスは最終の手順に切り替わる。
オートパイロットで乗機のブースターが点火されるとリニアパレットは最大加速に入った。
人々が避難し、見る人もいない大型プラズマディスプレイが点滅する「発進」。
次の瞬間、モニュメントの間を轟音と衝撃波が駆け抜け、サンドイエローにマットブラックのロボットが飛翔した。
「わたしにつばさをください~!」

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(SVL)

流星はかなたに消え、レールは縮み、開口部は閉鎖される。
モニュメントは元通りにおおらかな笑い顔を見せる。
ディスプレイには「皆様お騒がせしました」と表示。
公園は何もなかったかのような平穏を取り戻した。



(イラスト作成者:SVL、たまき)
(文責:九頭竜川)

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最終更新:2008年06月08日 20:29