人と犬妖精

犬耳に尻尾が特徴の、帝國では古くからのなじみがある犬妖精。
愛鳴之藩国では、初期のイグドラシルの3つのうち、
 「はてない国人+学生+犬妖精」
 「北国人+犬妖精+歩兵」(「歩兵」は現在では「帝國軍歩兵」)
と2つに犬妖精が入っている。
しかし現在では、人は犬妖精を着用しない(出来ない)ように、犬士である愛鳴之犬士民のみが着用するようになっている。
かつては人も着ていたのがこのようになったのには理由がある。
それが、「人の形質問題」だ。
簡単に言えば、人が人の姿や性質でなくなる、という問題が発生したのだ。

人が犬妖精の職業を着用していた頃、つけ犬耳やつけ尻尾を装備して犬妖精を勤めていた人たちがいた。
しかしその中に、実際に犬耳と尻尾がある人が現れたのである。
人が人の姿でなくなる。まさに人の形質問題である。

これに対し、人の形質を取り戻すべく対策がとられた。
具体的にいうと、僧侶による治療がそれにあたる。
本物の犬耳尻尾がある人への治療は、時間をかけて徐々に進められていった。
というのも、短い時間で急激に治療をするよりも、時間をかけて丁寧に治療を行った方が後々を考えると良いと考えられたからだ。
本来の人の形とはいえ急激に元に戻る事で、心身に負担や反動などの悪影響が出てしまう事を恐れたという事や、丁寧に治療を行うことでその後の世代に形質問題を確実に残さないように、としたのだ。
治療を受ける者、治療を施す者、そして周りでそれを支える者。それらの人々の尽力の結果、徐々に人の形質は本来の形に戻っていた。

そして現在。ついに犬妖精による人の形質問題は解決された。
それに伴い、今では人は犬妖精を着用しない(出来ない)ように、犬士である愛鳴之犬士民のみが着用するようになったのであった。


(設定文:花井柾之)