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五月。新緑の季節。
今日もいつもの散歩道を歩く。
木の間から透ける青空と緩やかな日差しの中、優しい風に包まれ目を閉じ深呼吸。
今日もいつもの散歩道を歩く。
木の間から透ける青空と緩やかな日差しの中、優しい風に包まれ目を閉じ深呼吸。
目を閉じると風の囁き、鳥の声、木々の揺らぎ、土の香・・・
居心地の良さに、ささくれ立った感情が流され、眠っていた感覚が、感じる心が蘇る。
居心地の良さに、ささくれ立った感情が流され、眠っていた感覚が、感じる心が蘇る。
目を開く。空は何処までも蒼く、その蒼さにふと爽一郎さんのことを想い、願う。願うはあの人の笑顔が消えないこと。あの人の幸せ。
いつまでも。いつまでも。
いつまでも。いつまでも。
優しい風が吹く。風に乗って懐かしい匂い。
春の匂い。
目をやれば、道の端にたくさんのシロツメクサの花。
幼い頃、よくシロツメクサでネックレスや冠を作ったことを思い出し、間近で見てみようと草の上にひざと手をつくと、微かに甘い匂いがする。
春の匂い。
目をやれば、道の端にたくさんのシロツメクサの花。
幼い頃、よくシロツメクサでネックレスや冠を作ったことを思い出し、間近で見てみようと草の上にひざと手をつくと、微かに甘い匂いがする。
久しぶりに冠でもと思い、手を伸ばす。
けれど、健気に咲いている花を見るうちに、無理やり手折ってしまうのもかわいそうだと眺めるだけにする。
けれど、健気に咲いている花を見るうちに、無理やり手折ってしまうのもかわいそうだと眺めるだけにする。
風に揺れる花を暫く眺めてると、目の端に四つ葉のクローバー。
四つ葉のクローバーを見つけた人には幸運が訪れる。
そんな言葉を思い出す。
暫く考えた後、手折ってごめんね。と心の中で謝りながら摘む。
押し花にしてあの人に贈ろう。そう思いながら・・・
暫く考えた後、手折ってごめんね。と心の中で謝りながら摘む。
押し花にしてあの人に贈ろう。そう思いながら・・・