今までに発見、遭遇した姉妹は六人、アドレスは5人分手に入れた
正直、痴漢男もたじたじのギャルゲー展開だ
さて、第5話『ピカッと光ものを感じるねキミ』をどうぞ
先輩の笑い声が、玄関ホールにこだまする。
………
何があったかというと
今から、数分前のことだ。
体育を終え、M字と笹塚君にピッタリマークされながら玄関ホールに入った。
銀「あ~らぁ、JUNじゃなぁい」
声をかけてきたのは、先輩だった。
銀「JUN、今、体育だったのぉ?」
J「そうですよ。先輩はこれからですか?」
初めて見る先輩の体操服姿。
普段、大人っぽい先輩の体操服姿は可愛いと思ってしまう。すると、先輩が
銀「あんまりジロジロ見ないでぇ 恥ずかしぃわぁ」
あ…
思わず見とれていた僕。顔が赤くなるのがわかる。
恥ずかしながら先輩に見とれていた僕は、ようやく気付いたことがある。
先輩の影に隠れて、小さな女の子が立っていることに
ヒナちゃんより少し大きいくらいで、一見すると小学生だがヒナちゃんが高一なのでそれぐらいなのだろうか?
特徴的なおでこに、巻かれた髪の毛。
可愛らしい女の子だ。僕が、小さな女の子を見ているのに気付いたのだろう、先輩が
銀「あぁ、この娘は、私の妹の1人でぇ、金糸雀って言うのよぉ」
J「あぁ、ヒナちゃんと双子なんですか?」
銀「雛苺?」
頷く僕、笑い出す先輩。
と、いうことだ
もぅ、1分くらいたっただろうか
まだ、笑い続ける先輩。
笑いすぎて苦しそうだ。
…………やっと止まった。
やだもぉと、涙目で言う先輩。
そして、今まで黙っていた金糸雀が口を開いた
金「カナは、誉れ高き8姉妹の次女!姉妹1の策士『金糸雀』なのかしらぁ!!」
………え?次女?
銀「そうよぉ 金糸雀はこう見えて次女なのよ 頭はいいけどドジな所が玉に傷なのだわぁ」
次女かぁ
まぁ、先輩に養分全部もってかれたんだろうな…うん
J「あ…ぇと、スイマセン。カナ先輩…先輩ですよね?ヒナちゃんと双子だなんて失礼なこと言って。あんまり身長とかが似てたものですから」
とりあえず、謝る僕。
金「まぁ、間違いは誰にでもあるかしら そんなに謝らなくていいかしら」
良い人だなぁ
そんなやりとりの後、今まで静寂を保っていたM字が喋り出した。
べ「銀嬢!」
銀「なぁに?」
銀嬢!?
変な呼び方……そんなこと気にしない先輩。
後から知ったことだけど、『水銀党』なる先輩非公認のファンクラブがあり、会員規則第14条に『水銀燈さんを敬い、崇めるため、原則として、銀嬢と呼ぶこと』と、あるそうだ。ちなみに、M字も笹塚君も非会員である。
べ「俺は、ベジータ、こっちは、笹塚。桜田…いや、JUNの親友です! 銀嬢、どうか俺達とアドレスを交換してください!!」
考えこんでいる先輩。そりゃ、笹塚君はともかく、こんなM字とはアドレスを交換したくないもんな。
しばらく考え込んだ後、何か思いついたように笑みを浮かべる先輩
銀「いいわぁ」
べ・笹「ホッ、ホントっすか!?」
銀「えぇ ぢゃぁ、交換しましょぉねぇJUN」
J「え?いや、僕は別に…」
銀「やぁよぉ 交換しましょぉ?お願いJUN」
そう言いながら、僕の顔をのぞき込むように上目使い……反則級の可愛さに、思わず携帯を差し出してしまう僕。
満面の笑みを浮かべ、僕とアドレスを交換した後、M字と笹塚君とアドレスの交換を始めた。
ふとカナ先輩に目をやると、完全に蚊帳の外状態。
何を思ったのだろう?僕は、
J「カナ先輩♪アドレス交換しましょ!」
なんて口走ってた
金「へっ?」
いきなりの申し出に、調子ハズレの声をだすカナ先輩。
金「なっ、なんでカナがあなたみたいな失礼な人とアドレスを交換しなきゃいけないかしら?」
J「やっぱ、カナ先輩みたいに可愛い人とメールしたいじゃないですか」
顔を赤らめるカナ先輩。
今思えば、なんて恥ずかしいことを言ったんだ。僕金「しっ、仕方ないかしらぁ。そこまで言うなら」
と、携帯を取り出しアドレスを交換した。
キーンコ~ンカーンコ~ン
チャイムが鳴る
J「やっば!ぢゃぁ、チャイム鳴ったんで行きますね」
金「バイバーイかしら~」
銀「えぇ…」
別れ際、少し先輩が沈んでるように感じた
5話のおまけ
~姉妹宅リビング~
リビングで、薔薇水晶、翠星石、蒼星石、水銀燈、金糸雀がJUNとメールしているようです。
大変だなJUN…
ふぃに、水銀燈が
銀「みんなは、どうやってJUNのアドレスを手にいれたの……?」
その瞬間全てを理解した妹達
薔「JUNが…どうしてもって……」
銀(どうしても…)
翠「JUNの奴が土下座するから仕方なくですぅ!」
銀(土下座!?)
蒼「放課後、僕が掃除してたらJUN君が教えてって」
銀(………)
金「カナも聞かれたかしら」
銀(自分から聞いたのは私だけぇ……)
落ち込む水銀燈を見て、ニヤリと笑う妹達だった
続くよ