何度、この絵を見てきたことだろう。
クレヨンで描かれたらしい絵が載せられている。その、一頁。
二人のひとらしきものが、手を繋いでいる。一面の花に、囲まれながら。
白と紫の彩りを含む花。
笑顔を浮かべ、手を繋いでいる。
ただ、右に居るひとの顔の部分が、真っ黒に塗り潰されている為。
その人物の表情を、窺い知ることが出来ない。
そうやって、私は否定されているのだと思い知らされる。
無かったことにされようとしているのか。
それはどうしようもなく、実際に在ったことだというのに。
私はそれを、彼女に伝える術がない。
本当はあるのかもしれないけれど。
私は少し、疲れてしまったかもしれない……そんなことも、思う。
最終更新:2006年08月06日 16:15