お約束になりますが、このページの内容は信頼性などは全くないものです。
場合によってはエンジンを損傷する症状でもありますのであまり信用せず、参考程度にお願いします。
基本的に勝手な推察ばかりですので間違い等は多くあると思われます。

結局はSN規格オイルに特定の添加剤を入れるのは注意というだけの話です。


SN規格が運用され一年以上すぎ、SN規格に移行したオイルも多くなりました。
ただ幾つかの添加剤でSN規格への添加を不可とする旨の通知が出ているため、いくらか混乱や心配されている方がおられるようです。

不具合の症状

症状としては特定の添加剤をSN規格油に使用した場合オイルの一部がゲル化(ゼリー状)となるようです。
その結果、フィルタやオイルラインが詰まり潤滑不良などを起こすというもので、油圧がかからず警告灯がつくケースもあるそうです。
YOUTUBEにその症状を起こした動画がUPされています。 http://www.youtube.com/watch?v=4oNMKA5rM2I
見てわかるように極めて流動性の悪い状態となっています。これではラインの閉塞などを起こしても不思議ではありません。

具体的な症状としてはGRPを取り扱っているオートプロジェクト京都さんが紹介されています。http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/GRP.html

現状で量販店などに置いてあるメジャーな添加剤でSN規格品への添加を不可としている製品としては
KUREのオイル添加剤の一部(オイルシステムの多走行車用とストップオイルリーク、ディープクリア)や モーターアップの一部製品 などがあります。

オイル側の原因は?SN/GF-5規格全体の問題か?

はっきりした原因はまだよくわかっていないようですが、まずSN規格全体の問題なのか、それとも特定のオイルのみの問題かによって話は変わってきます。
原因の一つとしてはSN規格の低粘度オイルに新たに使用されるようになったと言われているポリマーが挙げられています。
最初はこの話を聞いた時に次で挙げる乳化関連に起因するものかと思ったのですが、添加剤メーカーさんはポリマーを原因に挙げている所が多いようです。
この場合、必ずしもSN規格に限定されるわけではないと思いますが、新しい添加剤はやはり新製品から、つまり新規格のから採用していくわけでSN規格から症状が出るようになった可能性はあると思います。
ただどの様なポリマーが不具合を起こすのかはよくわかりませんし、SN規格に限定される点ではいまいち納得のいかない部分もあります。

もしSN/GF-5規格そのものとの相性とするならば一つとしてゲル化という症状から乳化関連が考えられます。
GF-4からGF-5への変更点としてE85燃料対策として水分を分離させないようにするエマルジョン保持性が求められます。
そうなるとエマルジョン化するための添加剤(乳化剤?)との反応で不具合が起きてる可能性が出てきます。
このE85対策はILSAC GF-5規格に求められているものでSN規格自体には求められていません。
ただし実際のところ添加剤などはGF-5/非GF-5で共通化される事もあると思われ、その意味ではSN規格全体が対象とも言えます。

その他に店舗等ではSN規格低粘度オイルで不具合が起こるという警告表記がされている場合もあります。ポリマー説では低粘度グレード *1 に使用される新しいポリマーが挙げられていますが低粘度に限定するのも若干違和感があります。低粘度オイルに多用される添加剤として摩擦軽減の為のFM剤なども考えられますが詳細は不明です。

一方でSN規格全体ではなく特定のオイルで問題が起きるとするメーカーもあり、そうなると原因は別の部分になる可能性もあります。
以下に述べるようにSN規格に限らず一部SM規格0W-20に対しても注意が出されています。

エネオス サスティナとの不具合

ユーザー側としてはこちらの方が報告されています。http://minkara.carview.co.jp/userid/791375/car/672284/1409569/note.aspx
この方はGRP 808αをサスティナ5W-20に添加したケースでの不具合です。
オートプロジェクト京都さんでは現在エンジンオイル用のGRPは対策品が出るまで 販売中止 限定販売としています。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/GRP.html
その他のGRP販売業者さんからもSM/SN規格の0W-20への添加は条件によっては馴染まないと言う事で使用を控えて下さいという注意が出ています。
GRPエンジンオイル添加剤ご愛用の皆さまへ|株式会社ヤザワ
またヤフオクの業者ではSM/SN規格の0W-20以外にサスティナ5W-30も馴染まないという記述が見られました。

メーカー側としてはEPL(http://www.epl-japan.co.jp/Demeproduct.html)さんがサスティナ(0W-50除く)と
スバルECO 0W-20(通常の0W-20ではなく、FB20用として採用された新しい0W-20)で不具合が起きる可能性があるとしています。

モーターアップのページにおいては、「新規格のエンジンオイルの一部」への添加で不具合が生じた事例が判明したとしています。
おそらくこれもサスティナの事を指していると思われます。

トヨタ ディーラーなどで販売されているMT-10も旧製品が「SN規格を採用した石油メーカー・ブランド・エンジンオイルの一部製品」と
適合しないという説明がなされています。おそらくこれもサスティナの事だと思われます。
現行品であるMT-10スーペリアでは対策されています。http://aceint.co.jp/topics/index.html

エネオス側でもサイトにてSN級オイルに適合しない添加剤があるという説明があり、確認はしているようです。
http://www.noe.jx-group.co.jp/carlife/product/oiltenkazai/index.html

もしSN規格自体の問題ではなくではなくサスティナなど特定のオイルで問題があるとした場合、不具合を起こす要素は何があるか。
サスティナの特徴としてW BASEとジンクピー(ZP)があります。W BASEは基油であり従来のGrIII基油よりも粘度指数などは高いものの
基本的な組成は一般的な鉱油系基油とかわらないはずですのでW BASEは関係ないと思われます。
となると原因はZPの方にあるのかもしれません。ZPはZnDTPに変わって添加されているものでサスティナの特徴の一つでもあります。
ZP自体、もしくはZPを補助する何かしらの添加剤が一部の市販添加剤と反応している可能性が考えられます。
前出のEPLさんのページで挙げられているのはサスティナのみでZPを使用していないファインは挙げられていません。

しかしエネオス以外の他社のSN級オイルでも同じ症状が起こっているらしいという話もあり、
そうなるとやはり乳化関連かポリマーなどのSN規格で使われる添加剤が原因になるのかもしれません。
ただポリマーが原因とする場合サスティナには新しいタイプのものが使われている事になりますが、少なくとも宣伝等では特に特別なポリマーを使用しているなどいう事は言われていません。しかしどの様なポリマーを使っているかなどは基本的に社外秘です、新しいタイプのものを使ってる可能性もあるかもしれません。
しかしポリマーなどというものは基本的に添加剤メーカーから供給されるもので特定のオイル専用という事は考えにくく、そうなるとサスティナ以外の様々なオイルでも症状が出るのではないかと思いますし、もしサスティナが先行的に使用したという事であれば今後は増えてくる可能性もあります。

SN/GF-5不適合の意味合い

この症状がSN/GF-5全体で起こるものではなく、サスティナなど一部のオイルのみに起こるとした場合であっても添加剤メーカーがSN/GF-5規格全般への添加は不可とするのは致し方ない面もあるかと思います。添加剤メーカーが全てのオイルを把握しているわけでもありませんし、サスティナと同様の処方であるオイルが他にも出てくる可能性もあります。特にJXが他のメーカーにサスティナ同等品を供給する可能性などは高いかもしれません。その手の供給関係やオイルの処方はユーザーにはまずわかりませんし、メーカー側も公表しないケースが多いと思います。クレーム避けとしては当然ともいえる表記です。

わかりやすい所でモーターアップのページでは「これから各オイルメーカーから様々な成分を使用した新規各オイルが発売される可能性がありますので万全を期し、「API:SN/ILSAC:GF-5」以上のエンジンオイルには下記の商品の御使用をお控えくださるようお願い申し上げます」と説明されています。
モーターアップ側では「新規格のエンジンオイルの一部」で不具合を確認しただけのようですが、「万全を期し」という所でわかるように
SN規格不可という対処はこれから出てくるかもしれない不適合なオイルに対しての予防的な処置と言えます。
つまり現時点ではSN規格オイル全てで不具合が必ず起きるわけではないと見ることも出来ます。

GRPを取り扱っているオートプロジェクト京都さんでも症状を確認しているのはエネオス系のオイルのみとのことです。

ただエネオス以外の他社のSN級オイルでも症状の発生が確認できているという話があるため、SN規格オイルに特定の添加剤を使用するのは避けたほうがいいかと思われます。
おそらくSN規格でもサスティナなどは特に症状が出やすいオイルなのかもしれません。

ゲル化を起こす添加剤の成分は

ではオイル側ではなく問題を起こす市販の添加剤はどういったものか、そしてどの成分が症状を引き起こすのかと言うと
可能性が高いのが塩素系の成分を含む添加剤、例えば金属表面を改質する添加剤などに多く見られ、
塩素系の中でも特に塩素化パラフィンが問題とされています。

例えばWYNN'Sを販売している ウイスター さんのページでは
「塩素化パラフィンがエンジンオイル内にゼリー状の物質を発生させ、オイルフィルターを詰まらせる場合があるという情報が提供されました
ウインズ製品は塩素化パラフィンを含んでいない為、この症状は起こりません」
との記述がトップページにあります。

ZOILさんも掲示板にて塩素化パラフィンがゲル化の原因となりうると返答されています。
http://www.superzoil.com/html/bbs/search/%B1%F6%C1%C7%B2%BD%A5%D1%A5%E9%A5%D5%A5%A3%A5%F3/

その他にもSOD-1を販売している D1ケミカル さんでは”エンジンオイルSN/GF5低粘度による実車テスト”のページに
「不具合の原因として市販添加剤に含まれる塩素系パラフィンが、オイルに含まれている粘度指数向上剤に悪影響を及ぼした事が原因。」
と記載しています。

バーダルA&Lさんでも塩素化パラフィンと粘度指数向上剤が反応してゼリー状物質を発生させるという情報を受けて塩素化パラフィンを含んでいない旨の通知をだしています。
http://www.bardahl.co.jp/info/archives/20120322_1.php

MT-10の旧製品の場合、塩素系という事を公言していましたがSN規格対応の現行品(スーペリア)では表記がなくなっているようです。
スーペリアになり塩素系ではなくなったのかはわかりませんが少なくとも問題の出る塩素化パラフィンではなくなったと考えられます。
説明文に「カルシウム系、ナトリウム系」とあるのに加え「溶解・分散作用」とあるため恐らくCaとNaのスルホネートをベースにしている可能性があります。

ただしSN規格への添加が不可となっているKURE製品の場合、いずれの製品も金属表面を改質するものではなく一見塩素系と考えにくいものもあります。
SN規格不可のKURE製品で共通する部分はシール関係です。多走行用とストップオイルリークではシール性能の復活を謳っており、ディープクリアではシールを傷めないという説明がなされています。となるとシールに関連する成分に塩素化パラフィンが使われているのかもしれません。
詳しくは知りませんが塩素化パラフィンはゴムなどに配合される事もあるので、シールへなんらかの作用をする可能性もあります。
実際に塩素化パラフィンなどが使われているのかは不明ですが、もし使われていないとなるとまた別の要因が出てきてしまいます。


もし塩素化パラフィンが原因とするならば、SN規格への対応非対応の表記は塩素化パラフィンを含むかどうかの目安ともなるかもしれません。

問題のないと思われる添加剤

基本的には塩素系の表面改質添加剤以外はまず大丈夫だと思うのですがKURE製品などの例もありますので難しい所です。
とりあえず有機モリブデンなどは大丈夫でしょう。エネオスが販売している有機モリブデン添加剤「ENEOSエンジンメタルスムーザー」は不具合を起こさないとサイトの方でも表記されています。http://www.noe.jx-group.co.jp/carlife/product/oil/naruhodo/qa.html
その他、固体潤滑剤系の添加剤も基本的に安定しているはずですので、反応は起こさないと思われます。
ただし、いずれの場合も前提としてそれらが単独で使われている場合に限ります。

表面改質系であっても問題ないとしている添加剤もあります。ZOILは掲示板にてSN規格やサスティナへの使用も問題ないとコメントされています。
http://www.superzoil.com/html/bbs/search/SN/
また上にもあるウィンズやMT-10スーペリアなども問題はないとしています。

またネット上でGRPの製造元と言われている所が販売しているNNL690を輸入されている方(?)が独自で行ったサスティナへのNNL690混合実験では問題は起こらなかったそうです。
http://nnl690.bakufu.org/sastina/sustina.html
ただこの実験はあくまで混合加熱冷却実験ですのでエンジン内の環境を完全に再現しているわけではありませんので注意が必要です。

なお表面改質系でも天然鉱物を利用したメタライザーや進化剤なども、症状は起こさないでしょう。


とりあえずSN規格油に表面改質系添加剤を使う場合は確認が取れたものを使う、確認が取れない表面改質系の添加剤は避ける。
その他の添加剤であってもできるだけ内容をよく調べた上でメーカーから警告が出ていないかを調べてから添加したほうが良いでしょう。
KUREの例がありますのでオイルシールに作用する添加剤の場合も注意した方がいいかもしれません。